どうしようもなくやりきれない。
ゴミを。持ち帰った。
資源ごみの日で、朝からポリバケツを出していた。
バケツに入れて出すシステムになってから、当然のことながらそれを取り込むという一仕事が加わった。
月曜日、燃えるゴミ。火曜日、新聞、段ボール、水曜、資源、木曜、燃える、そして金曜は唯一何もないので油断できる。
ごみ収集車の音に気をつけて待ち、やってきたら、バケツを引っ込める。
うっかりして昼過ぎまで出しっぱなしにしてしまうことは度々あったが、今日、その逆をやってしもうた。
もう来たと勘違いしてバケツを戻した。
そのあと、トイレに入る。
座っていると、いつもの声がするではないか。
「オーライッ、オーライッ」
うっそ。まだだったのか。声の近さから、ひとつ前の収集場に今、来ているようだ。
今日は雨が降り始めたからいつもより遅かったのかもしれない。
資源ごみは軽い。バケツにはタイヤが付いている。中身を確認もせずにさっさと引っ込めたがまだだったのだ。
慌てて、トイレから飛び出しさっき取り込んだバケツの蓋を開ける。中にビニール袋が二つ。
・・・・・。この時のどんより加減といったら。
どうやら母が自分の家のものを後から入れたようで量が増えている。
急いで持って出たが、既に遅し。
オーライ〜、の声は去っていったばかりのようで、次第に遠くなっていった。
ずん。
明日は燃えるゴミ。このバケツに入れるのだ。
一週間この資源ごみを置いておくのか。
別のバケツに入れ換え待てばいいだけなのだが、なぜこうも気が沈むのだろう。
自分のうっかり加減に呆れる。どうして私はこうなんだ。
母もまさか自分の出したゴミが娘のところに保管されているとは思うまい。