雨の合間の公園
雨に濡れた葉が美しくて写真をとっていたら
母よりやや若い感じの女性に声をかけられた。
「あら、萩ですよね、これ。花があっという間に終わってしまうの。ね」
あ、そうなんだ。私はただ、綺麗だなあと思って撮っていただけで、花の名前も知らなかった。そうか、これが萩なのね。
「いや、私はただ、雨粒のついた葉っぱが綺麗で撮ってたんです」
花の名前もしらなくてと言おうとしたのとかぶさって
「ね、これ、本当に花の時期が短いの」
ともう一度言われた。
「そうなんですね。知らなくて」
彼女は去って行った。
写真をまた撮っているとまた戻ってきて
「雨粒を撮るなんて感性が豊かだわ。素敵」
とにっこりされた。
「いやいやいやいや。私ただ」
今度は本当に去って行った。
なんだか恥ずかしい。
でも雨粒の葉っぱはやっぱり好き