「あ、今晩、リモート飲み会になった。7時から」
「ふーん」
飲み過ぎないでよとか、あれこれ言われなかったものだから「なんだか急に決まったんだよね」「なんか転職するらしいよ」「なんでだろうね今頃」などとやたら喋る。
冷蔵庫に3分の2以上残った飲みかけのワインがある。
二人の意識は互いにそこにむかっている。
あれ飲んじゃお。誰も見てないから全部飲んじゃお。
あれ、全部開ける気だな。
寝室にある仕事机のパソコンに向かって飲食するから、私が寝ようと二階にあがっていくといつも部屋がお酒臭い。
そこには触れず、朝食終了。
夫がいつものように「じゃ、頑張ってきますんで」と二階に上がる。
そこに息子が降りてきた。
「今日、家飲みとか言ってたぞ、またベロベロになるまで飲む気だぞ」
「そうだね」
「いいのか」
「大丈夫。美味しいミートソース作るから。」
ドボドボワインを入れた美味しいミートソースが出来上がった。
残り、半分よりやや、上。
これで、よし。
ちょっとかわいそうかと思って、夫の好物の枝豆と照り焼きチキンとフライドポテトを作り、お弁当のようにした。
これで、よし。