うぬぼれ

昨日、夫がめずらしく早く就寝した。

息子のほうは残業で10時過ぎても帰ってこない。

その日は歯医者の検診のあと、夫の老眼鏡を受け取りに二子玉川に寄り、疲れていた。

普段なら遅くとも10時には二人が遅い夕飯を食べているのを見ながら「おやすみぃ」と一人先に寝る。しかし、今夜はもう夫が寝てしまっている。

疲れて帰ってきて、一人わびしく食べるのもなあ。

すでに脳は限界を超えているがしかたない。YouTubeで音楽を流しながら待つ。

帰ってきた。ここでさっさと寝ようか。でもそれもつれないか。

居れば会社であったどうでもいいことを話してくる。やっぱり誰か話し相手がいるとくつろぐのだ。

こっちの気も知らず、のんびり話し、ようやく風呂に入りに行った。その間もまた、うつらうつらと待つ。

風呂から出て、今度はテレビをつけながら食べ、ときどき話しかけてくる。

断っておくが、夫にはこんな対応しない。

「いいからさっさと風呂入れ」

と冷たくあしらう。

息子が在宅で彼が仕事にでている場合、9時になれば私は迷いなく寝る。

疲れて帰宅する夫をかわいそうなどと考えない。そんなことより自分の体が大事。

 

結局私も馬鹿親なのだ。

「母さん、今日はめずらしく夜更かししてるね」

それにも「お母さんがめずらしく起きててくれてうれしいのね」と解釈するほどの馬鹿者だ。

息子の皿が半分空になったころ、もう限界と立ち上がる。

「すまん、寝るよ」

「お。早く寝ろ。おやすみ」

テレビに釘付けでチラともこっちを見ない。

 

親の自己満足なのであった。

そうだったそうだった。

基本、息子のことは「居候している青年」と考えるようにできるだけ手を出さない。

寝坊してようが、遅く帰ろうが、何を買おうがどこに行こうがなにを食べようが。

一人暮らしをしていたら見えないことだと、自分を戒める。

それができていると自負していたが大間違い。

一人暮らしをしていれば、遅く帰って自分で用意した食事をテレビ観ながら食べるのだ。

案外、それがホッとする時間なのだ。

付き合って起きているつもりでいたが、向こうは向こうで「早く寝ろよ」と思っていたかもしれない。

次回からは息子にも塩対応で良いと心にメモ。