もったいなくて

明日は午後から晴れるようだから、午前中のうちに夕飯の支度をして午後から散歩に行こう。いい時間が空いていたら髪を切ってこよう。

そう考えていた。

夫も息子も出社するから夜遅くなるだろうし、たまには時間を気にしないで夕方までのんびりしてこようか。

別に夕方どこに行きたいわけじゃない。

スーパーだっていい。

夕方6時過ぎの店内のレジに並びながら、本屋に寄って帰ろうかと考えられる気持ちの余裕が非日常的で浮かれてしまう。

ロールキャベツを作っていた。よく考えたらまた気温があがってきた日にこんなに熱々のもの、失敗だったかも、などと思いながらぼうっと庭を眺めていたら、隣の実家のドアが開き、姉が出ていった。続いて、母も出てきた。母は窓越しに私の家の方を伺いながら歩いていく。

二人でどこか行くんだな。観たいと言っていた美術展かもしれない。

この時間だから外で昼ごはんを食べて夕方まで戻らないだろう。

とたん、なんだか急にそわそわする。

夕飯の支度もすんだ。

夫も息子もでかけた。

母と姉もでかけた。

そして、思いの外早く、雨は上がった。

どうしよう。なにしよう。

このポッと手に入れた完璧な自由時間。

美容院は午後3時からが空いていた。今日みたいな日こそ、この時間でものんびりできる。

ああ、でも誰も家にいないのに、家を空けるなんて。

 

寝室のベッドの向きを夏用に変えた。風がよく通る場所があるのだ。

夫が仕事をしている時はできないこと。その1。

2階でラジオをつけてゴロンとベッドに寝転ぶ。窓を全開にした。二階は明るいなあ。

いつものラジオ番組もなんだか違うように聞こえる。

男子チームのいないときならではのこと、その2。昼ごはん問題。

食べるのか食べないのか、気にすることも用意もしなくていい。

今日はこれだ。一階と二階を好きな時に好きなだけ行ったり来たりして過ごそう。

二階で昼寝して電子書籍のコミック読んで、一階でドラマ見て。夕方から散歩して。

それからまたごろごろして、本読んで、夕飯前にお風呂に入っって。

遮られない自分時間を満喫するぞう。

勿体無くて美容院なんぞいってられない。