あれからの二人。
夫はやはり寝不足と冷えがきっかけの、疲れだったようでじわりじわりと回復傾向にみられる。
じゃがいも 大根 白菜 を出汁で溶けるほど煮込んだものに茹でうどん半玉をこれまた溶けそうなほど煮込んだもの
カップの甘いヨーグルト
バナナ半分
タンパク質ドリンク
を平らげ、弱々しい声で「トンさんほんっとありがとう、助かった・・」とまだ病人であろうとするが私の中では「はい もう大丈夫」と看病終了のサインがでている。
息子の方は見ていて明らかにストレスからくる自律神経失調。
微熱。頭がぐらぐらすると言う訴え。食欲不振。腹痛。頭痛。便秘。
会社の人間関係で上司と先輩に相談したら話が大きくなり、いよいよ来週、部長も交えて話し合いをするらしい。自分が些細なことで大騒ぎをする弱虫だと評価されるのではと狼狽えている。
そこに加え、初めての社外との会議でのプレゼン、初めての後輩。
胃がおかしくなるのもあたりまえだ。
こちらは今日も食がすすまない。
ロールパン2個
甘いヨーグルト
バナナ2本分のエネルギーゼリー飲料
これだけお腹におさめていれば安心。
「それ、ストレスだから。絶対悪い病気でもないし、コロナでもないから安心しなさい」
それでも念の為にと医者に行った。
「母さんのいうとおりやった。典型的なストレスだと」
胃薬をもらってきた。
「くそ。ストレスって認めるのくやしいなあ」
驚いたが、どうやらストレスで胃にくる自分を弱いと恥じている。
「そうやって上司に相談したり休みをとって医者にいくって対処をできるのは強いからだよ。あと、弱いって感性の違いなだけで悪いものではないよ」
「どうやったら治るんだよ、治るのかよ、ストレスなら治らないじゃないか」
「治そうと思わないのがいいの。治さなくちゃっておもわないで、ああ、俺、ストレス溜まってんだなあ・・・って感じて受け入れてればいいのよ。次なにかあったときも、ああ、今ストレス感じてる感じてる・・って」
マジかよと言って二階に上がっていった。
母親でなく信頼している医師にストレスと言い渡されてよかった。
正体が分かれば安心する。
こちらも私の看護はもういらない。
あとは消化のいいものを並べて
「食べたいときに食べたいのだけ食べればいいよ」
というだけ。
二人の声に力がはいってきた。
よいよい。
愚痴りながらため息つきながら、みんなでのらりくらりとしぶとくいこう。