机が微妙に高いのがいつも気になっていた。
文字を紙に書くにはちょうどいいのだが、パソコン画面を見るにはわずかに高い。
長く座っているとなんか疲れるなと、感じる。
調理台や洗面所同様、この微妙な違和感があると無いでは使い勝手がかなり違ってくる。
購入したときは問題なかった。
無印良品の折りたたみパイン材デスクとチェアをセットで買ったのだ。
しかしその後、椅子の方だけもう少し快適なのがほしくてリクライニング機能のついたものに変えた。
昇降可能の椅子だから大丈夫だと思ったのだが、座り心地の良い高さにすると机と合わない。
こんなものかと誤魔化し誤魔化し使ってきたが、どうにかしたくて、ネットで高さ60から65センチで手頃なものはないかと探していた。
いくら安物とはいえまだまだ使えるのに新しいものに替えるのは後ろめたい。ずっとグズグズモヤモヤしながら使っていたのだった。
昨日、夫も息子も揃って出社の隙に、思い切って机の足を切った。
おもむろに納戸からノコギリを持ち出し、鉛筆と定規で好みの高さになるところに線をひく。
ゴリゴリゴリゴリ。
ぱきっ。
一本目が切断された。
舐めてかかったが、想像以上に結構な力仕事だった。
じんわり汗をかいている。
すでに上腕二頭筋が痛い。
が、今更やめるわけにいかない。もう引き返せない。
急ぐな。
気長にやろう。
だんだんコツがつかめてくる。引くときに力を入れるのがいいようだ。
ポロッ。
ポロン。
ポキ。
どうにか全部、短く切れた。
足裏にフェルトのシールを貼って完成。
机をひっくり返し立ち上げる。いそいそ木屑だらけのまま椅子に腰かけてみた。
「おぉっ…。完璧じゃねぇか」
一人、感嘆する。
この数ヶ月の中で久しぶりのワクワクドキドキだった。
切り取った足は紙パルプで作ったミニワゴンにくっつけて、こっちは高くした。これまた絶妙でまた満足。
いつかこんな感じの↑が欲しい。