ぼくらはみんな生きている

今朝、ものすごい悪寒がしてホットカーペットと羽毛布団とガウンとぐるんぐるんにくるまってもまだ寒い。ガタガタ震えがとまらない。

ロキソニンを飲んでじっと待つこと二時間、やっとおさまった。

寒気のあとは発熱。舌下で測ると9度4分。ええっ。

今にして思えばホットカーペットと電気毛布と羽毛布団とガウンとで熱がこもっていたのかもしれない。

結局昼近くには7度8分になり、午後2時過ぎの今は6度9分に落ち着いた。

昼ごはんも味はする。咳もない。大丈夫そうだ。

夫はその間、どうしたらいいのかわからなくてオロオロするあまり、テレビを見ていた。

こいつ・・・と思いつつも、だからってなにをしてほしいことも今はない。

そばにいられても煩わしいだけだ。結果、彼の行動はそれでいいのだ。

トンさん、僕今日、買い物いってくるからね。今晩はピザとかとろう。

そう言って、次に頭を持ち上げ覗いたら、うたた寝していた。

 

昨日は一日中眠く、だるく、何も手につかなかった。

べつにやらなくてはならないことはあるわけでもなく、夕飯の支度もあれこれ冷蔵庫にあるから大丈夫なのに、落ち着かない。

なにかしなくちゃ、あ、なにもしなくていいんだ。

犬の散歩のごとく、夕方コンビニに払い込みに行き、スーパーでバターとアイスクリームとレタスとイチゴを買って帰る。

ほんの2000歩足らずだがそれで安心した。

夕方、母が顔を出す。

留守中に届いた生協の品と仏壇に祖母の好物のサツマイモの蒸したのを上げておいた。

「ありがと、生協。あとお仏壇も。すみませんね」

近所に住む従姉妹と南町田のアウトレットモールに行ってきたそうだ。

元気だ。

「ちっともおもしろくなかった。わからないお店ばっかり」

私の顔をチラと見て

「なに、調子悪いの?」

と聞く。

さすがだ。うん、ワクチン打ってからずっと微熱がでてるんだ、いい加減ぼちぼちしんどいよ、今日はなにも手につかなかったと言うと

「いいのよ、なにもしなくて、生きていれば。変に働いてみんなに迷惑かけるくらいならじっとしていればいいのよ」

と言われた。

生きていればいい。

母にそう言われたのははじめてだった。

役立たずだろうが、へなちょこだろうが、そこに存在していればいい。

すっと気持ちが楽になった。

嬉しかった。

一瞬コロナだったらとヒヤッとしたあとだと、しみじみ思う。

そうだ。

生きて、会話して、笑って楽しんでいるってすごいことなんだ。

みんな、そうなんだ。