その涙に誇りを持て

午前中、整形外科に行く。

無事、接着。もう今日で来なくていいと言われた。

嬉しい。プロテインを勧められたので薬局に寄って買う。

昼ごはんの時、ワクワクして飲んでみたけど微妙。でもいける。飲もう。

一日置きくらいでもいいことにしよう。義務じゃなく。

 

午後1時19分、

時間ぴったりに羽生くんがショートプログラムを滑る。

あまりに落ち着かなくて実家に行き母とみた。

始まってすぐのところで回転が流れた。エッジがよその選手の練習でできたくぼみにはまったのだそうだ。

あ、と思う。

惜しいとか残念とかじゃなく、気になるのはただ羽生くんの心。

落ち込んでいるのか。悲しんでいないか。

かわいそうでかわいそうで。結果なんかどうでもいい。落ち込まないで。

しかし落ち着いてみれば

あれだけの場数を踏んできた王者、私の想像するような柔なメンタルのはずがない。

くそっ。と悔しく思い、気持ちを切り替えるのもこれまで何度も経験済み。

引きずらないでいてほしい。引きずったりするわけがないか。

私がようやく落ち着いた。

自宅に戻り続きを遅い昼ごはんの息子と見る。

美しい。誰もが美しい。

 

昨日、夜の歌番組で布袋寅泰のライブがあった。

紅白でも興奮したが、やぱり昨夜もすっかり魅せられた。

「ノリノリやな」

珍しく体を揺すって浮かれる私を息子がニヤニヤしながら言う。

「この人、いつ現れたの、すっげえかっこいいんだけど」

ずっと前からいるよ、別格でしょ、唯一無二だよね、この人も。

なぜか私が得意になる。

単純なので今日は台所をしながら掃除をしながらずっと布袋さんのプレイリストを流す。

二つ三つ知ってる曲があるだけなので俄かファンもいいとこだが、なんだろう、力が漲る。

聞こえてくる歌詞が、時々刺さる。

布袋さんは私のことを誰よりもわかってくれてる。

そんな気になる。

顎と膝とお尻と肩とブンブンふりながら音楽に乗って台所で踊っていたら夫がそれを見ていた。

しまった。と思った時はもう遅い。開き直って踊り続ける。

「布袋さんね。いいね。トンさんがそうやって嬉しそうにしてるの父さんも嬉しい」

何やってんの、馬鹿みたいと笑うかと思ったら、違った。

この家では息子も夫も私が浮かれて踊ると喜ぶのか。

笑われないって伸び伸びできていい。

身構えなくていいんだ。ここでは。

 

『満たされてる振りしながら 嘘の笑顔で生きてくより

傷だらけの心に秘めた その涙に誇りを持て』8BEATのシルエット 布袋寅泰作詞作曲

この詩が。。たまらん。

言うほど傷だらけの人生でもないのに。なぜかジーンとくるのだ。