雪の日の朝

降りました。東京も。

これしきで大騒ぎするなんて雪の中で生活する方々には笑われますが、こっちはもうみんな慣れてなくて大騒ぎ。

テレビでは雪の上の歩き方を北海道出身のアナウンサーが実演して見せたりしています。

我が家では朝、夫が私の枕元にたち、

「これから郵便局まで行ってくる」

と目をキラキラさせて言いました。

 

「なぜ、今」

5時に目が覚め、洗濯と朝食を作り、二度寝で布団に潜り込んだ。ラジオを聴きながらうとうと至福の時間を過ごしていたところに、そう言われ、一瞬うっかり寝過ごしたのかと思った。

時計を見ると時刻は7時。

「郵便局ってまだ・・」

「あ、ポストに入れるだけ」

「それは今じゃないとダメなのかなぁ?」

今じゃなくてもいいけど早い方がいいから。ポストに入れるだけだからと目が宙を泳ぐ。

それなら午後でいいでしょう。雪が溶け始めてからでもいいんじゃないでしょうか。

でも、早い方がいいから。

昨日から窓の外を眺めては積もったねぇ積もったねぇと声を弾ませていた。絶対雪に興奮して歩きたいだけだ。

「どうしても今、行くと言うのなら、これからずっとあなたのご飯は作らない」

わかったわかったわかったとすぐ諦めた。

着替えて降りていくと

「雪かき、しておいたよ、お隣の分まで電信柱ところまでちゃんとやってあげた」

ほっぺを光らせキラキラした目でこっちに歩いてきた。

「それはえらい、それはえらいね。ありがとう。よく気がついたじゃない。大変だったでしょ、ありがとう」

「ブンブンブンブン。褒められて尻尾振ってる音、ぶんぶん。褒められた、ぶんぶん」

この人は。。。

「いーぬは喜び庭駆け回り」

「ぶんぶんぶんぶん」

面白い人だ。