寄せ書きの言葉、なんて書いたらいいかなぁ
夫に相談された。
産休でしばらく仕事を休む女性社員に寄せ書きをするのだそうだ。
話したこともない、二十代ぐらいの人なので言葉も見つからないというのだ。
寄せ書き。
パッと捨てないだろうから残す言葉は慎重になる。
体調を崩して入院したとき、見舞いに来るというママ友達を断った。
一緒にお茶をして子供同士の行き来もあった間柄の人だった。
電話口で早く元気になって、きっとすぐ良くなるよと励まされても、その言葉は耳を通過していくだけで、わずらわしかった。
ひねくれていたのか、ひねくれているのか。
元気な赤ちゃんを産んでくださいなんて、言えない。
早く戻っておいでも、また一緒に働く日を待っているよも、そのつもりはなくとも急かすようだ。
こっちは心配しないでいいというのも、寂しく思うかもしれない。
その色紙を、どんな気持ちとどんな体調のとき読み返すかわからない。
しあわせに包まれている瞬間ならいい。
予期しない悲しみや疲労のさなか、うっかり目にすることはないだろうか。
退社するわけでもないのにどうして色紙なんてもの、渡すんだろう。
全く関係のないよそ者の私が、勝手に憤慨する。
「一緒に仕事もしてないからいつもありがとうも使えないし」
「急かされているように感じるのは私が専業主婦だからかも。働く女性は必要とされているって思うのかも」
いろいろ話して結局「ゆっくり休んで戻ってきてください」でどうだろうと落ち着いた。