開き直って強く

毎日体重が確実に500グラムずつ増えている。

特に暴食をした覚えもないのに、じわじわ増え続けるのは気分を暗くする。

たった500グラムでも4日目となると2キロになる。このまま増え続けるとどこまでいくのか。この数字の変化は浮腫なのか脂肪なのか。

誰かここにきて説明してほしい。

そして安心させてほしい。

「大丈夫、これは浮腫です。この数日の疲れで心臓に負担がかかったんでしょう。おとなしくしていたら数日でもとに戻り始めますよ」

「ああ、これは単に太ったんですよ。いいじゃないですか、もともと痩せすぎなんだから、健康体に向かっている変化ですよ」

そう言って頭をなでなでしてほしい。

自分でも不思議だが、痩せているくせに突然体重が増え続けると恐怖だ。

脂肪が増えたんだとしたら、なぜっ。どこにその肉はついたっ。そしてこれはいつまで続くっ。

浮腫なら浮腫で、ちょっと断捨離した程度でこんな負担がかかるのか。そんなに心臓は弱っているんか。

正直に言おう。

浮腫なんだとはっきりしてくれた方が気が楽だ。私のせいじゃないもんね、自分じゃどうしようもないもんねと、開き直れる。先生に診てもらって改善するまでじっと待つ辛抱はいるが、今、なにが起きているのかはわかる。

太ったとしたら、これだけ毎日食生活気をつけていてどういうことっ?と納得がいかない。

ピザをとって家族が目の前でぱくついているのもグッと堪え、消化のいいもの、動物性脂肪の少ないものをひとり別に食べたりしてるのに。私に断りもなく脂肪がつくなんて、踏んだり蹴ったりじゃないか。

筋肉とか、もっといいものであるべきだ。なんのために我慢してるんだ。

もう、気をつけるのやめちゃおっかな。

やけになって心が荒れる。

いやいやいや。身体は魂の入れ物。大事に扱わないと。

できるだけ長くこの世で触ったり、話したり、会話をしたりするために。

もういい。ゆっくり休んで、ふかし芋食べて、本でも読んで。アマゾンプライム観て。

抵抗せず。このまま過ごそう。

浮腫なら医者に行こう。

太りなら、納得いかんと憤慨しながら服を買おう。

どんな1日も私のための1日にする。

どんな自分の身体であっても「よいよい」と可愛がってやる。

魂の私が、生きて生活している形の私をすっぽり愛してやるんだと決めればなにも怖くない。