今日は病院の日だった。
先週しておいた血液検査の結果を聞きに行く。
心臓の調子がやや、やや、よろしくない。
ややなので。そう落ち込んでもいない。むしろこの数日の不調の原因がはっきりして安心した。
ああ、それでか。
気をつけようっと。
帰宅すると夫がちょうど遅い昼ご飯で一階に降りていた。
「どうだった?」
「お心臓のお様子が今ひとつでしたの」
「えー。トンさーん、心配だなぁ」
帰りにコンビニで買った千切りキャベツとゼリーに山盛りの薬の袋の入った手提げを私の手から受け取って持っていく。
「あのさあ、今日さあ・・。」
今なら言えるかもしれない。言っちゃおうか、言っちゃえ、もう、知らん。
そこから私は夫に自分の病気のことについていつもより詳しく説明した。
難しい病気だから、もう治そうと思わない方がいいと言われたこと。
うまく付き合っていく方向で考えたほうがいいと言われてること。
精神的にバランスが崩れると身体にもすぐ影響してしまうう厄介な癖があること。
そのバランスを崩すきっかけとして、だいぶ抜けたけど、やっぱり母と姉に言われる言葉に深く動揺することが未だあること。
時々、そんな自分が情けなくてどうにかしたいと思うこと。
それで辛くなってカウンセリングに行きたくなる時があること。
先生にそれを今日話したら苦しいなら、希望するなら心療内科に紹介状を書くよと言ってくれたこと。
辛くなったらカウンセリングに行けるということをお守りにしばらくこのままやってみると話したこと。
先生もその方がいいねと言ったこと。
もう順番もなにもめちゃくちゃだったが、洗いざらい話した。
これまで伝えていなかったこと、伝えられなかったこと、カッコ悪いところ、全部ぶちまけた。
「トンさんはトンさん。父さんはそういうの全部ひっくるめてのトンさんがいいんだから。トンさん魂が好きなんだから」
もっとドン引きするかと思ったのに。
この人、あまりよくわかってないんじゃないだろうか。
「もし、心療内科に行きたくなったら父さんも一緒についてく」
わかってた!
時間にして5分もあっただろうか。短いやり取りだった。
夫はそのまま「いただきまーす」とテレビの党首会談を見ながらご飯を食べ始めた。
「ああ・・話せてよかったよ。このこと話せて安心した」
安堵したとたん、いろんな疲れがどっとやってきて放心状態になる。
すると夫が振り向いた。
「トンさん、苦しまないで。なにを言われても考えないで。あ、まあそうできないから苦しんだろうけど」
笑っていた。
事態はなにも変わっていない。
だけど、私は大きな一歩を踏み出せた。
だから今日は特別にいい日。