日本代表はみんなの夢と希望と光を背負っているんだな

昨日の晩は息子も夫もサッカー観戦に間にあった。

おでんを突っつきながら3人で食卓を囲む。平日の夕飯に3人揃うのはいつ以来だろう。

コロナ前はもっとそれぞれがそれぞれの時間軸で外に出ていた。

この、いつも全員家にいる状態が基本形なのはいつまでだろうか。

息子もいつかは家を出る。

「ウィンナー、親父、いくつ食べた?」

「ふたつ」

「じゃあ、あと俺のだからな。お餅っていくつ入れたの?」

「ふたつだけど、ジャガイモの方が父さん好きだから、二人でうまいこと相談して。あ、ハンペンはそれぞれ一枚ずつ食べてね。今日、タンパク質少ないから」

実際の現場はそんなセンチメンタルとは程遠い。

これを負けたら後がないんだと教えてもらった試合を一緒に眺めていたら、あれあれあれっと言う間に一点入った。

「よっしゃー」

「やったー」

普段何かと揉める二人が仲良く立ち上がる。

後半、追いつかれては一気にしょげる。

「まだわからん、まだまだ」

「オヤジ、うるさい、黙って観ろ」

今度は急に不穏な空気。

この展開で部屋を出て行くのは忍びなく、普段ならサッカーに興味のない私も、食後のアイスを食べながら眺めていた。

あ。

何が起きたのかよくわからなかったが加点したようだった。

「うおーっ」

「よっし、よっし。よーしっ」

また二人が立ち上がる。夫は両手を祈りのポーズで組んでいる。

負けたら最後と言われていたのを覆し、勝って終わった。

二人揃って拍手する。

「礼はいらねぇよ」

すまして二人に言った。

「いつもは観ない私が応援してたから勝ったんだよ」

「なにいってんだ」

笑う息子に「そうだね、そうだね、トンさんありがとう、トンさんの力だ」といい加減なことを言って浮かれる夫。

「じゃ、おやすみなさい」

一足先に階段を上がる。

階下ではまだ二人のおしゃべりが珍しく続く。

いい夜だった。

きっとこんな光景が日本の其処彼処であったろう。

一人で喜びを噛み締めた人も。

TwitterやLINEで誰かと分かち合った人も。

病気の人も。

あちこちで心にポッと何かが灯った。