力を抜いて

ずいぶん長いことお休みしてしまった。

体が本調子でなかったのと、気持ちが沈んでいたのとで、どうしてもここに向かうエネルギーが湧いてこなかった。

このブログを立ち上げればきっと、何か打ち込むだろうけど、それは愚痴めいたうんざりさせるものばかりだ。

ただただしんどいだの、辛いだの、この先どうなんのだのと聞かされても「知らんがな」だろうし、ネットを通じてどんよりモードを伝染させるのも申し訳ない。

何よりそんな文章を書くことで、うっすら感じている「闇にハマっている感」をしっかり実感してしまいそうで嫌だった。

ではこうして書き始めている今はどうなのかと言えば、本当のところすっかり元気ってとこにはまだ至っていない。

でも、少しずつ明るい方向に心も身体も向かいはじめた。

 

今回の低迷期、笑顔や元気を取り繕う気力もなかった。

食事の支度と洗濯、買い物はかろうじてこなすがそれで、使い果たす。

無表情と無気力の垂れ流し。

目や耳に入ってくる情報に脳があれこれ反応するのも煩わじく、テレビもラジオもネットも全て遠ざけた。

普段、夫にはしても、息子には八つ当たりはしない。なるべくヘラヘラ笑っている。しかし今回それも、崩壊。

買い物から帰ってくるなり「手を洗え、うがいをしろ」と何度も言われ「うるさいよ」とプイッと膨れた。

しまったと、思う反面、そうできるようになった自分に驚いた。

反抗期の子供のようにそのままムスッとし続けシャワーを浴びた。

互いに数時間距離を置き、それぞれ腹を立て、数時間後には何事もなかったかのように喋りだす。

ああ、これでいいんだ。

そんなに心配しなくても壊れない。

夫の赤ちゃんしゃべりにも容赦なく「気持ち悪いってば」と言い放つ。

「ごめんなしゃーい」

両人差し指をツンツン合わせて戯ける姿に再度

「だからそれが気持ち悪いのっ」

わかったわかったと、対してダメージを受けてない風で受け流す。

「キモいんだよ、その赤ちゃん喋り」

妻と息子の総攻撃を何故か嬉しそうに「ファミリー!」と浴びる夫。

互いにツッコミ、互いに腹を探り、互いに許し、互いに笑う。

実家の家族とはこんな空気、なかった。

無理に機嫌良くしなくても大丈夫。

無理に笑わなくても。

許されるんだなあ、私も、ここでなら。

それを感じた数週間だった。息子が成人したことも関係あるのかもしれない。

知らないうちに余計な力がはいっていたんだなあ。