昨日はすっかり熱も下がり、(本当ですってば)皮膚科に行ってきた。
ここの先生、苦手なんだ。薬が切れてもなかなかすぐ行く気になれない。
今はコロナのおかげで1ヶ月以内に診察をした人は症状が安定しており、先生の許可が出た場合に限り受付で薬をもらうだけというのが許される。
このカードは先月すでに使ってしまったので、もう逃げられない。
渋々予約をして出かけていった。
なぜ苦手か。
悪気のない、さっぱりした性格だから。
それは、友人との会話の中で思わず出たようにサラっと発せられる。医師の診断結果を聞こうと構えていない時、不意に言われるから時として私の心をえぐる。
先生の名誉のために申し上げておくが、心がえぐられるのはまだ、私の中に精神的に病んだ芯のところがしぶとく燻っているからだと思う。そこに先生の言葉が触れると引火し、もくもくと煙をのろしのようにあげるのだ。
「もともと心臓が弱いからか、庭仕事や1日台所にいたりすると、翌日手足が浮腫むことがあります」
皮膚科で言わなくてもいいことなのについ、そんなことを話すと先生はグイッと私の膝を両手で掴んだ。
「ちょっと力抜いて」
ふくらはぎ、膝裏を何度かぎゅっぎゅっと力を込めて触る。
何診ているんだろ、なんかやだなあこの展開。以前もこれで肩を触られ「うっす(薄い)」と筋肉のないのを指摘された。
また何か言われたらやだなあと思うが、「やめてください」と引っ込めるわけにもいかない。
早く終わりにしてほしいと思っていると先生の手は私の太ももを握った。
「やだ、ちょっとなに、これっ。ほっそー、ほっそー、細いじゃん!何、これ!」
パッと手を離し、椅子のキャスターをビョーンと蹴り、後ろに離れた。そしてもう一度、近寄り
「ちょっともっかい触らせて、やだ、ほら、これ!何これ!細すぎ!」
えぐられました。
絶対安静で長期入院して以来、足の筋肉がごそっと落ちた。
当初は片足で靴下も履けなかったのが、この頃はできるようになり、階段も手すりを使わず2階まで上がれるようになってきたところなので自分としては「すっごく良くなってる」くらいに思っていたものだから、大きな声で現実を突きつけられ、急に恥ずかしくなった。
やめてくれえ。もうそれ以上言わないで。
「あーびっくりした。よし、足の運動しましょう。」
それから先生は椅子に座ったままできる筋トレをやって見せてくれた。
「これ、次回までの宿題ね」
そういってカルテに「足の運動・・・宿題っと・・」と言いながら書き込んだ。
ぎょえぇ。書き込んでるってことは次回、また触って筋肉がついているか、ちゃんとトレーニングをしたかチェックする気だぁぁぁ。
宿題が出たこともブルー。「何、これっ」とドン引きされたこともブルー。
昨日は半日どんよりしていた。
一晩明けるとなんでそんなに悲しくなったのかと思う。
外からの刺激に過敏に反応したんだなあ。
やったほうがいいと先生が言うトレーニングはやったほうがいいんだ。
それを教えてもらったことで先々、転びにくくなるかもしれない。
ダメな自分を隠さなくていい人がまた一人増えたってことだ。
・・・口は悪いが。医師としては信頼できる。
悔しいけど。宿題はやらないとな。