多面性

オリンピックが始まった。

始まる前は「医療機関がそれどころじゃない時に」「ここに使うお金があるならその分を被災地に回せばいいのに」なんて、どちらかというと否定派だった。

しかし、あちこちで言われているように同じく私も、選手のエピソードや彼らの活躍によって励まされている若者、心や身体を病んでいる人々、お年寄り、そして支えてきた家族やコーチらの存在を具体的にテレビやインターネットから知ると

「一概には言えないなあ。救われる人もいるんだなあ」

と考え直す。

それどころじゃない人は未だ、確かにいる。

一方、同時にこの祭典が開催されたことで生きる力をもらい励まされている人もいる。

結論なんてわからない。正解なんてわからない。

ただはっきりとわかったのは、単純に「オリンピックなんてやめればいいのに」と決めつけていた自分の薄っぺらさ。

なんだかんだ言いながら、久しぶりに家族3人でオリンピック競技を見ながら盛り上がっている夜に幸せを感じていた。

平和に画面を眺めていられる立場にいること。本当にありがたいと思う。

次のオリンピックの時、息子はまだこの家で暮らしているだろうか。