昼ごはんを食べに降りてきた息子と昼のワイドショーを観ていた。
東国原さんが、コロナ対策に関し、ご自分の意見を熱く語り始めるとカメラが彼をアップにし始めた。
「なんで急にこんな近寄るんだよ」
息子が苦笑しながら言うので
「熱が入ってるからでしょ、今、裏でディレクターが、寄れっ、もっと寄れって言ってるんだよ」
と笑った。
「こんな画面いっぱい、おっさん映し出されても」
ああ、そうか。息子世代から見れば、このタレントさんも元県知事の政治評論家のおじさんなのか。
そのずっと昔、熱湯に浸かったりして笑いをとっていた芸人さんというイメージが拭えない私は新鮮に思う。
「確かに。おじさんをアップにするならその隣に座ってるハンサムな落語家さんを映し出してほしい。一生懸命話を聞いている様子を」
すると息子が「ハンサム?ハンサムってなに、あぁ、顔がいいってこと」とこっちを見た。
「ハンサムって今どき言わないでしょ、それを言うならイケメンとか。そういや、おばあちゃんもハンサムって言うな。ハンサムって使わないでしょ、もう今は」
「イケメンのイケってなによ」
「イケてるってこと」
「ふーん、じゃ、ダメな男はなんて言うの」
「ダメンズ」
おお。そうか。聞いたことがある。
「イケおじってのもあるぞ、母さんの好きな竹野内豊とか、阿部寛とか、あの辺はイケおじだ」
た、竹内様が、阿部様が、オジに分類されるのかっ。そんな時代っ?
「ちなみに親父は赤ちゃん言葉使ってキモいからキモオジ」
言葉も時代によって変わっていく。
ハンサムが死語だと言われたよりも竹内、阿部様がオジグループに属されていることに衝撃を受けた母なのであった。