ペース配分

昨日のこと。

午前中、冷蔵庫の野菜で簡単にできる常備菜をいくつか作る。

茄子の南蛮漬け、ニンジンのヒラヒラサラダ、かぼちゃの煮物、きんぴら。

先週のあの怒涛の冷凍庫食材退治騒動のもたらした効果のおかげか、小さなおかずを作ることに抵抗がなくなった。

あれに比べれば消費ノルマもないし、ずっと気が楽だ。やりたくなければやらなくてもいいんだし。

姉は相変わらず職場のストレスが続いているようで腰痛に悩んでいる。

「心身から腰が痛いとは限らないんじゃないの」

知らずに内臓に何か問題があったら大変だと言う意味を含め呟くと

「なるわよっ。あの人は強そうに見えて、内面は敏感で弱いからすぐ体に出るのよっ」

きっと母が睨む。

その母も今日は木曜、こちらも相変わらずの体操教室でヘロンヘロンに疲れて帰ってきた。

昼過ぎ、台所仕事の最後、春巻きを揚げた。

午前のお仕事、これで完了。さぁてここからは、まったりタイム。

浮かれ気分で母のところに揚げたての春巻きを持っていく。

「揚げるの早すぎてごめん。うち、夜に作ってもどうせみんな、食べるのバラバラで夜遅くて結局温め直すから、さっさとやっちゃった」

午前中にお惣菜コーナーで買ったと思えば問題ない。

「あっらあ。うれし。ご飯、作るの大変でやだなあって思ってたの」

食べる時、アルミホイルに乗せてトースターで温めるとカラッとするからといって去ろうとするとちょっと待ってと呼び止める。

「あなた、これ、持ってかない?」

タッパーに山盛りの肉じゃがが入っている。手ぶらで返すのは悪いと思っているのだろうか。

「いいよいいよ、お姉さんに食べさせておやり。おいておけば一品、楽になるじゃない」

すると眉間に皺を寄せてこう言うではないか。

「おいしくないのよ」

ひょいとつまんで食べてみた。確かに味がぼんやりしているが、そんな気にするほどでもない。

「美味しいよ。大丈夫よ」

「だってお姉さんが、おいしくないって言うんだもん」

なるほど。

わかる。どんな料理も家族の口に合わないとわかると、とたんそれはいきなりお荷物になる。

捨てるわけにはいかない、どう誤魔化して消費するかが悩みの種になるのだ。

「じゃあ、もらっていこうかな」

甘辛く煮付け直せばいけるかもしれないと、考えながら受け取った。

「じゃじゃじゃじゃじゃ、これも、これも持ってかない?」

今度は豚バラ肉塊の茹でたものが出てきた。煮豚にしようと思ったけどめんどくさくなったらしい。

「細かく割いてサラダに乗せてもいいじゃない。」

お姉さん、あんまり今お肉食べないのよ。

わかったわかった、もらうもらう。これでカレーにするわと、これも手に持った。

「あ、そのお肉ね、もうかなり前のだから、急いで使わないとだめよ」

う。もう今日は台所仕事終わりと思っていたのに。

家に戻り、たまねぎ、にんじん、ジャガイモを冷蔵庫から取り出す。

カレーのルウがない。クックパッドを検索してスープカレーに取り組む。

肉じゃがはジャガイモを足してみりんと醤油と砂糖を絡め、レンジで温め直した。

あれ、思ってた味じゃない・・みりんと酒を追加し、再度、加熱。

ん・・・これ以上いじって取り返しのつかないことになるといかん、ここでやめとこう。

台所でドタバタやってるところに夫が「お昼、食べてもいい?」と降りてくる。

魚を焼いて冷凍してあった炊き込みご飯をチンして朝の残りの汁物を出す。

「それで足りる?」

「じゅうぶんじゅうぶん。」

予定に反し延長戦が始まった。てんやわんやの全て終わったのは午後2時半。

あいにく、米が切れていたのでスーパーにいく。戻ってやっと遅い昼ごはんを食べ始めたのが3時過ぎだった。。

シカゴ・・シカゴ・・・。

さあ観ましょと画面を立ち上げるが、へなちょこ身体は疲れ切って、筋が頭に入ってこない。諦め消し、目を閉じた。

・・・時間と体力の配分をもっと上手くなろう。

さて。今日。

今日は昨日作ったスープカレーの鍋が冷蔵庫に既にある。

ふふふふふふ。今日こそ・・。