今日は夫も息子も揃って出社。息子は週の半分は家を出るが、夫の方はほぼ毎日二階で仕事なので、これはもう。
もう。浮っかれてしまう。
「あ、ごめん、明日急に会社行かなくちゃならなくなっちゃった。ごめんね」
ごめんだなんて。めっそうもございませぬ。弾む声を押し殺し「あら、そうなの」とだけ返したが、心の中ではうひゃうひゃしていた。
家族の動向を気にせず丸々夕方まで思いつくまま、気の向くまま動ける。
彼らが家に居たところで息を殺し、じっと我慢しているわけでもないのに、やはり開放感があるというものだ。
そして一人になったところで、別段何か特別にやりたいことが溜まっているわけでもないのだが。
夫を見送り、のんびりテレビを観ていると息子が起きてきた。
「オヤジ、もう出かけたのか」
「うん、会社行ったよ、今朝は早かった」
「ふぅん。俺も、今日、出社だ」
「そうだね」
知ってる知ってる知ってる。知ってるよ〜ん。
はしゃぐ心を見透かすかのようにニンマリしながら息子が呟く。
「ええやん。母さん、今日は俺も親父もいないからゆっくりできるやん。シカゴ日和だな。堪能しろ」
み・・見抜かれておる・・・。