昨日のこと。朝、テレビを観ていたら女性の鬱を掘り下げやっていた。
出産、生理、閉経、更年期とホルモンのバランスと環境の変化のついてまわる女性の人生はストレスがついてまわるという。変化はストレスなのだそうだ。
こんな症状が出たら要注意というガイドラインが2つ画面に出た。
笑顔が減る。何事にも意欲が湧かず、それまで趣味だったことなどにも興味が持てない。
・・・・。
「母さん、大丈夫かよ」
普段はこの時間まだ布団の中だが、今日に限って前日抜いた親知らずの傷が痛くて薬を飲みに起きてきた息子がちょうどそこにいた。
「大丈夫だよぉ。」
ここでダメと言えるだろうか。
言えん。夫にならまだしも、息子相手に「あたし、辛いっす」とは断じて言えまい。
テレビは続く。
とにかく一人になりたい。
感情の波を抑えられない。
意味もなく涙が出る。
夫に話しても理解されず、無関心で孤独を感じる。
・・・・。
息子は真剣に画面を見入っている。
気まずい。ひっじょうに気まずい。思い当たるものがいくつもある。
「おい、ホントに大丈夫かよぉ」
同じことを息子も感じたらしく、もう一度言う。
「だいじょぶだいじょぶ」
言葉と裏腹に、はぁ・・・。思わず深いため息を漏らしてしまった。
同時に涙が浮かんでくる。
えぇ?なんで?なんで泣く?
いかんっ、今ここで泣いたら、完全に鬱だと息子は思う。
はっはっは〜。
わざとらしく変な呼吸をして誤魔化した。
「・・・・母さん大丈夫かよ」
やめてくれ。何故かわからないけど、だんだん自分が惨めになってきた。
息子はますます疑惑を深め「ゆっくりしろよ」と言い残し、また二階に上がっていった。
はあ。
泣けてくる。なんで泣けてくるんだ、何にも重大な困りごとなどないのに。
そこに夫が降りてきた。
「今さ、コーヒーが残り少ないと思ってグイってやって飲んだらさ、思ってたよりたくさんあってさ、ほら、こぼしちゃった、みて、ほら、ここ」
ゲラゲラ笑いながらシミのついたセーターをつまんで見せる。
「どうしよ、これ、お気に入りなのに、洗える?洗える?落ちるかな、大丈夫?」
はぁ・・・。
この無関心さに時に悲しくなるんだ。
だけど、同時にこのトンチンカンさが私を救ってもいるんだ。