ごめん、ありがと、少し進歩

今日はこんなにいい天気なのに、また波がきて笑えなくなってしまった。

家族に声をかけられた時は、気を遣わせまいと声を出して陽気なことを言ってみせるのだが、全体的にまとっている雰囲気が暗いものだから、どっちにしても気を遣わせてしまう。

夫が車に乗せて、近所をぐるっと回ってくれた。

一歩も外に出ず、車窓から流れる景色を見ていただけだが、一日家にいる毎日にメリハリがついて、少し風穴が空いた気がする。

1時間ほどのドライブから戻ると息子が起きていた。

「おかえり。手洗いうがいしろよ。大丈夫か?」

様子を伺うような声の調子に「ああ、すまない」と思うが、やはりどうにも明るくできない。

連れ出して元気出させてやろうとした夫にも悪いなあ・・。

せめて彼らが好きそうなものを並べよう。

・・と言っても作ったのは

麻婆豆腐の素にキャベツと鶏ひき肉を加えて作ったなんちゃって麻婆豆腐に生協の餃子ともやし。・・と、温泉卵。

それでも美味しい美味しいと言いながら、テレビをつけて喧嘩と冗談の混ざった会話をしながら賑やかに食べる二人。

幸せだ・・・。

 

あれ、今、幸せだなあって思った。

昨日まで「これを幸せっていうんだな」って言い聞かせてたのに。

今はフって浮かんできた。

少し、進歩。

 

そう思っているのに顔は仏頂面のまま。

ごめんよう。二人。

許してくれてありがとな。