私のヌクヌク

このところ、どんより気分がのってこない。

家族と話すときなどは調子を合わせてヘラヘラしているが、正直しんどい。

そうかと言ってずっと一人きりがいいのかといえば、そうでもなく、ちょいちょい、顔を出して短い会話をし、またそれぞれ自分の世界に戻るというのが好ましい。

「みんなが家にいて、そばにいないのがいい」

結婚する前、母がよくそう言っているのを聞き、勝手だなあと思ったものだが、まさにそれ、その通り。

ありがたいことにというか、ちょうどいいことにというか、夫も息子も私も、三人集まればワイワイやるが、一人きりの時間を大事にすることは共通している。

食事がすみ、しばらく一緒にテレビを観ながら喋っているが、30分もすれば、息子は風呂に行き、私はイヤフォンをしてYouTubeで博多大吉さんの動画を観たり、ゲームを始め、夫は家族に合わせていた番組を自分好みのものに変えてテレビを堪能する。

私はこの時間が一番好きだ。

1日が終わり、もうやるべき家事もなく、家族がそれぞれ機嫌よく勝手気ままなことをする。

気分が低調な今、ちょっとでも楽しくなるには手段選ばずと、あれこれ、自分がご機嫌になるものを探している。

今のところ一番の特効薬は博多大吉さん。とにかく、好き。

人柄が好き。浮腫で何も手につかず、落ち込んでいた頃は随分助けられた。

あとはタブレットのゲーム。何にも考えずにジグゾーパズルをしていると気持ちが静かに落ち着く。

もう一つはイラストのアイビスペイント。これは本格的なイラストや漫画を描く人向けのものらしいが、私は落書きをして、色を塗る。子供のお絵かきよりも下手っぴなものばかり描いているが、ぴっとやれば、パッと塗り潰される機能や、エアブラシなどついていて、気がつくと、どうしようもないのを何枚も描いて喜んでいる。

「お、お絵かきしとるな」

息子がのぞいて言った。

お絵かきと大吉さんとゲーム。時々ラジオ。

しばらくこれでヌクヌク心をあっためる。

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アプリの使い方が理解できず、たったこれだけに二日もかかった。