意外とスッキリした

今日が休みだと昨日、夫に言われて気がついた。

あら。週末は忙しく出かけるけれど、火曜日だから予定ないのかな。

「どっか用事、行くの?」

「いや、何もないよ」

ふうん。じゃあ一緒に庭仕事してもらおっかな。まあでもあれか。せっかく休みだからのんびりさせてあげた方がいいかな。スーパーに行くくらいかな。

などと思いつつも何も言わず、いってらっしゃいと送り出した。

そして今朝。

食後、コーヒーを飲みながらのんびりしている夫にそれとなく様子を伺う。

「今日の予定は」

「あ、今日ね。来週試験だから、それやらないと」

眉間にシワを寄せて、さも深刻な問題を抱えているかのように答える。

がびーん。

ま、そんなことだろうよ。そんなこともありえると、うっすら思っていたよ。

「ふーん」

 

しんどい身体は発想もいじけやすい。

元気溌剌の時はいくら放って置かれても、ほくほく自分の楽しみに勤しんで、むしろ、ラッキーとさえ思うのに、何をやっても集中できなく面白くない時に、放り出されると、なんというか、虚しいというか。

いや正直に言おう。

愛されてない気がする!

 

公平な目で見ればちゃんと分かっているんだ。

夫が自分に愛情があるってことは。

しかしあんまりにも自分優先が続くと、萎える。

 

「私は今、放ったらかしにされ続け幾分、面白くないと思っているよ」

昼、降りてきた夫に言ってみた。

これまで口にしたことのないセリフである。

理屈じゃわかっていても、そう思っているんだと知っておいてよねという気持ち。

新たな試みである。

「ゴメェン」

ちょっとだけ芝居がかった口調でさらっと謝られるとこれまた面白くない。

「不満が沸沸と湧き上がっているよ、今」

「トンさん、ほんとごめんねぇ。父さん、頑張るから」

違う。頑張って試験に受かって欲しいとか、そんなことどうでもいいんだ。

この、もっと私を大事にしてよという感情をなだめて欲しいんだ。

「この埋め合わせはいつかきっとするから」

そう言われ続けてもう10年以上は経つ。

じゃ、頑張ってきますんでと、夫はコーヒーを持って二階に上がって言った。

虚しい。

言わなきゃよかった。きっと今頃、妻のボヤキのひとかけらも心に残っていないんだ。こんな気持ちになるくらいなら言わなきゃよかった。

 

はて。

本当にそうか。

モヤモヤを引っ張り出して光を当てた。

これはとても有意義なことだったんじゃないだろうか。

 

物わかりのいい奥さんじゃない、むくれているんだよっ。

言ってやったぜ。