異端児

だいぶ体調がいい。

昨晩、ふと、もしかしたらエネルギー不足かもしれないと、寝る前に甘いヨーグルトにポカリスウェットに蜂蜜を入れたのを温めて飲んだ。

このポカリに蜂蜜というのは、看護婦さんに教えてもらった。

飲む点滴になるそうだ。

「これさえ飲んでおけばなんとかなるから」

特別おいしいとは思わないので、よっぽどの時でないと飲まない。それよりはカステラとミルクの方がずっとおいしい。

このところ体調不良でお腹が緩かった。

栄養もカロリーも満足に吸収されない日々が続いていたはずだ。

身体が求めていたのか、昨日の夜は、甘ったるいポカリもお腹に優しく収まった。

単純な体はすぐ反応する。

体重は700グラム増え、今日はしんどくない。

 

外に出ようかという気分になるのは久しぶりだ。

日差しのポカポカがもったいなくて、散歩がてらの買い物に出掛けた。

近所のスポーツ公園を歩く。

日曜の公園は賑わっている。みんなマスクをしているが、マスクをしながらサイクリングをしたり、マスクをしながらスケボーをしたり、マスクをしながら寝っ転がって読書、シートを広げてランチ。

マスク以外は通常の光景が戻っていた。

私が家の中でげんなりしていても、こうして世間の人々は活動的に生産的にちゃんと生きていたんだと、軽ーい劣等感を覚える。

今、こうしてこの中を歩いている私も、この人達と同じように映っているのだろうか。

表面上はうまくごまかし馴染んでいるだろうか。

通り過ぎる人、通り過ぎる人、たとえそれがおじさん、おばさんであろうとも、みんな自分よりお洒落で素敵に見える。

一応家を出る時に着替えて身なりを整えたが、自分だけが、ヘンテコリンで異質の存在に思う。

どこにも私みたいな人がいない。

ボーッとしながらヘラヘラ目的なく歩いている人はいない。

私と似たような種類の人がいない。

 

公園を出て薬局に向かう。

近所のスーパーに近くにつれ、ポツリポツリと「似たような力を抜いた人」を見かけだす。

ホッとする。

もしかしたらあの、スポーツ公園に集う人々は、ちょっとお洒落意識の高い人達なのかもしれない。

そう、自分を慰めた。

私と似たような匂いのする人は、どこにいるんだろう。

自分の特性を未だ把握できていないので、わからない。

なんとなく、いない気もする。

散歩の最後にドトールにだどりつく。

ホッとするけどここも違う。

結局、家庭なんだな。

私みたいな異端児は、そのままを愛してくれる夫、大事にしないとな。

今夜のお鍋は、ちょっといいお肉、買って帰ろう。