洗濯がスムーズにいかない。
故障して、もう新しい洗濯機も購入済みなので、今は届く日曜夕方まで、なんとか今の機械に頑張ってもらうしかないのだが、脱水が途中で止まり、同時に底から水漏れをするので、目が離せない。
洗いが済み脱水、止まる。蓋を開け、中の衣類の偏りを直してまた、蓋をしてスタート。ガッガッガッ、ガタン、ガタン、ガタン、グルルルルルル・・・お、いったか?ガタガタガタ・・・キュルルルルルルルルーン・・・。ああ、ダメか。もう一回。また蓋を開け、衣類の偏りを・・。
やっと洗いの脱水がどうにかうまくいって、すすぎ。また脱水。始める、止まる。蓋を開ける、直す、スタート。ガッガッガッ、ガタンガタン、グルルルルルル・・いけっ頑張れっ、思わず機械をむんずと掴み覗き込む。ガタガタガタガタ・・キュルルルルルルーン・・。
昨日はあまりのことに呆然とし、事態を受け入れ難く、いちいち止まって床も水浸しにしてしまう洗濯機に「もうっ勘弁してよう」と、気分も暗くなったが一晩開けてみると、満身創痍で必死に動いていることを思うと妙にいじらしく思える。
「もう、無理ですぅ・・」と、キュルルルルルルーンと蹲み込んでしまったランナーに向かって「頑張れ、君はできる子でしょ。頑張れ」と励ます。すると、またヨロヨロと立ち上がり健気に走り出す。
偉い子だ。
そしてなんとか最後の力を振り絞らせて脱水させ終わった衣類を取り出しながら思うのだ。
使い物にならないなんて言って悪かったなあ。
そのワードがどんだけ相手を傷つけるか、私がよく知ってるくせに。
洗いをしてくれて、すすぎもしてくれて。
ドラマの『おしんちゃん』がこれを見つけたら「スンゲェ箱があるべ!」と凍える手で抱きしめるはずだ。
お、また止まった。
床に敷いていたタオルもぐっしょりしてる。
頑張れ頑張れ。ありがとね。
タオルも取り替えようね。
あとちょっと。あともうちょっとだけ、力を貸しておくれよ。