なんのために頼んだネットスーパー

ついにネットスーパーに手を出してしまった。

昨日、お米が少なくなっているのに気がついた。けれど、暑いなか、重いのもって帰るのやだなあ、それに出れば、ついついヨーグルトやら牛乳やら買っちゃっていつも帰りはヨタヨタするんだよなあ。

今は夕方4時過ぎに外に出ても、まだ暑い。

「ちょっと連絡取れなかったら死んだと思われるってどんだけだよ」

息子にそう笑われるほど、私の体力の無さは情けないほどだ。たった数分の往復でもゼエハアしてしまう。

カッコつけて頑張ってぶっ倒れるより、開き直ってネットだ。

後ろめたさを言い訳で隠して、さっさと注文したのだった。

前回、足の骨を折ったとき以来だが、その時と同じおじさんが、汗をびっしょりかきながら予定時刻ぴったりの12時にやってきた。

配達料金がただになるよう、調味料や洗剤もついでに頼んだので大荷物のはずなのにおじさんは両手にビニール二つぶら下スタスタ進んでやってくる。すごいなあ。

「すみません、甘えてしまいました」

「いいんですよ、どんどん使ってください。足はもう治ったの?」

包帯が無くなったのをちらりと見た。

「ええ、それは。覚えててくださったんですか。足は治っていると言うのに申し訳ないです」

私より頭が白いけれど、筋肉のしっかりついた腕は真っ黒だが、それでも年長者に働かせておいて、自分は冷房の効いた部屋でのうのうとしているきまり悪さでそう答えた。

いいんですいいんです、まだまだ暑いから、気をつけてください。

ああ、でも助かりました、ありがとう。

おじさんを見送り、荷物をしまおうとしてとんでもないことに気がついた。

米が、無い。

嘘でしょ。

慌てて注文票の印字を確認する。ない。米なんて、どこにも載ってない。

どうりで。

お米を注文した割にはなかなか、配達無料の額にならないなと思いつつ、あれこれ追加の品を選び続けた記憶がある。

でもちゃんと注文内容見直したのに。

私と言う人間は。どうしてこうなんだ。

ヘナヘナ力が抜ける。今更それだけのために会に行く気力もない。

今日のぶんはある。

問題は明日だ。

今、頼めば、間違いなく翌日便に間に合うが、あのおじさんにまたここに来させるかと思うと、気まずくてその勇気がない。

折しも明日は金曜日。明日の晩はパスタで乗り切り、米調達は土曜、夫の車をあてにしよう。