割れ鍋に綴蓋

疲れたり体力のキャバシティをオーバーしすぎた時、目が充血することがある。

プールのあと、あっかんベェをすると、赤くなっているのと違って、白目が鮮血で真っ赤になっている。

鏡に映る、頭をボサボサにした、化粧っ気のない、目を血ばらせた女。

「ね、目の充血、ひどい」

旦那に見せようと近寄ると

「あ、よしなさい、ダメ、それ、触るのよしなさい」

と逃げた。

「なによ、自分の時は、見て見てって来るのに。皮膚がどれくらいただれているか、抜歯したところがまだ血が出ているかって見てくれって追っかけ回したくせに」

「あ、僕、これから会議だから、安静にしてなさいね」

なんだよ。

ドンパチドンパチ、ピストルで打ち合ったり爆発する映画を平気で、むしろ好んで積極的に観る夫。

血を流すことなく、人の心の中を描く話を好んで観る妻。

凸凹凸凹。

私のへっ混んでいるところを夫が埋めて。

夫のへっこみを私が埋める。

あんまりくっつくと違和感があって

あんまり離れると不便。