体調不良でヘロヘロしているところに夫が「ブックオフに行って来る」と降りてきたのですかさず、中性洗剤と梅干しを頼む。
「あとさ、ついでにノンアルコールのシュワシュワ、レモンかグレープフルーツ、どっちか適当でいいから買ってきてよ」
体調が悪いってのに、そう言うのも飲むのかとは言わず、「はーい」と出かけてゆき、しばらくすると八分の一カットのスイカと一緒に帰ってきた。
「トンさん、全部食べていいから、全部食べなさい、とうさん、買ってきたから」
助かった。
プレゼントも記念日も気の利いたことはしてくれないが、不調の時に嫌な顔を一度もされたことがないのは、何事にも変えがたい。
神様が私を虚弱に創ったのは、「いい気になるな」「大切なことを忘れるな」ということなのかもしれない。
「わあ、スイカ、ありがとう」
と可愛らしくお礼を言わないこのいじっぱり。
「・・・スイカ、うれしい」
とだけ、いうのが精一杯。
これもまた、練習あるのみ。