ベッドの向き

久しぶりに夫が出社した。

さあ。今のうちに。

仕事中だと入れないのでまずはシーツを洗いたい。

それともう一つ。夫のベッドの足元に、高さ1メートル80センチの本棚がある。スライド式で手前と奥に収納的るタイプのものだ。

そこに綺麗にぴっちりではなく、雑誌や分厚い本が、ごちゃまぜに積み重なって乗っかっている。大きな地震があったとき、本棚が倒れなかったとしても、あの置き方では中身が雪崩を起こし、寝ているところに覆いかぶさってしまうのではと、ずっと気になっていた。

さあさあさあさあ。

やっちゃいましょったらやっちゃいましょ。

まず、机を移動させる。

机の下にも雑誌や新聞やなんかの教材が積んである。

それらをキャスター付きの椅子に乗せ一旦どかす。

あとは、机に布を噛ませ、ズズズズ。

ベッドもズズズズズ。

本棚横に机、出窓の下にベッド。

これで大丈夫。

・・・・ダメだ。狭い。

あまりにも夫の空間が狭くなってしまった。

ズズズズズ。

たった今、ゼエハアいいながら動かした大物をまた元の位置に戻した。

どうしよう。

とりあえず本棚の上に積み上げられている、危なっかしいもの達を移動させ、段ボールに詰めた。

危険度5から3ぐらいにはなっただろう。

「大丈夫だよ、突っ張りがあるから倒れないよ」

あの本の置き方をもう少し整然とした方がいいと言うと、夫はめんどくさがって取り合わない。

多少狭くなろうが、あのままベッドの向きを変えた方がよかっただろうか。

私だったら狭いところは落ち着くから好きだけど。