息子、母に怯える

おかげさまで息子は手術も済み順調に回復しております。

緊急で入ったので、空いている枠にする予定ではあったのですが、昨日の朝、いきなり先生から

「これから手術します。今朝の触診の様子では点滴がだいぶ効いているようで腹膜炎の心配もないので、入院時と違って今すぐやらないといけないというわけでもなくなったので、就活の後にしても大丈夫になったのですが、ご本人に話したところ、もうやってしまうと言うので、予定通り、しますね」

さすがに手術室に行くときくらいはそばにいようと思っていたのが、思いの外の早い展開にオタオタ。しかし始まってしまうと言うのならなすすべもありません。

ちょうど、昨日は私自身の検診日でもあったので、すぐ病院に向かいましたが顔を出した時には

「今、ちょうど手術室に向かいましたよ」

一歩及ばず。

自分の診察を終えて戻ってみると、

「今麻酔が覚めて、30分たったので歩く練習するところです」

結局私が目にしたのは、管も抜かれ、ちょっと朦朧として「痛えよ」といってるところだけでした。

痛み止めを飲むからベッドを起こしてくれと言うので、ベッド脇についているボタンを押すと

「あし、あし、足が上がってる。ちょっ、ちょっ、く、苦しい・・」

「え?間違えてる?こっちかしら」

「違う、だからそれ、足だって、上がってる、苦しい、ちょっと止めて・・」

術後すぐの息子を苦しめてどうする、母。

「ごめん、ちょっと看護婦さん呼んでくる」

廊下で空のベッドを押してこっちに向かってくる看護師さんを呼び止め部屋に入ってもらうと

「あ、ハイハイ、これね」

ガーっと私が持ち上げてしまった足の方は下がり、次に頭の方が起き上がっていくのでした。

楽な大勢になったところで息子、呟く。

「オッチョコ・・・」

 

気の毒に、痛み止めだってほど痛むというのに、余計な痛みまで味わされたのでした。

気の毒に。