いいからいいから

朝食を食べて、ちょっと具合がよくなかったので二階に上がり冷房を利かせ、布団をかぶった。

うつらうつらしていた。

ガラガラガッシャーン!!

目が覚める。

割ったか、割れていないか。

・・・・。

ゴー、ゴー、ゴー。

あ、掃除機。割れたのね。

やがて掃除機の音は近くなる。

「なんだよっ、いいよッここは。」

息子が怒る。

あ、割ったのは父さんか。

扉が開いて掃除機の音が止まる。

「あぁありがと、大丈夫、もう起きるよ」

「いいからいいからもうちょっと寝てた方がいいから」

自分のお茶碗を割ったらしい。

「洗い桶の場所を移動させようとしたら。余計なことをしたのがよくなかった」

「仕方ないのよ。しょうがない、無理もない。ね、あそこ狭いのよ、そろそろお台所リフォームするかぁ」

すぐにドアから覗かせていた頭を引っ込め

「いいからいいから」

と逃げてった。