まぼろし

朝、まだ二人が寝ているとき、庭で草むしりをしていました。

するといつのまにか起きてきていた息子が窓のところに立っています。

「母さん、なにしてんだよ」

「あ、おはよう。草むしりだよ」

「いいから。やめなさい。中に入んなさい」

「なんで」

「だって母の日だろう。働くのやめなさい」

あらん。

「わかったわかった、やめるやめる。朝ごはん作るからね」

「もう、いいから、そんなの、俺がなんかするから、ゆっくりしなさい」

あらんあらんあらん。

膝をパンパンと払って立ち上がり

・・・。

目が覚めたのでした。

 

夢を見たのでした。

夢なのでした。

 

二人は寝息を立てている朝、6時4分なのでした。