生協さんが週を追うごとに痩せてゆく。
コロナの影響で加入者が急に増え、それに対し配達する人員は変わらず。もしくは減少。
一人当たり新たに増えた1日あたりの配達先は10件どころじゃきかないっすよとため息をつく。
「まだ加入受け入れやめないの?」
ここで打ち切りにしますと言ってくれない限りこれはしばらく続きますねぇと、先々週あたりに呟いていたのを思い出してそう聞いた。
「まあ、そういうわけにもいかないでしょ」
彼の方が既に達観しているのに、変な身内意識の芽生えた私の方が憤慨する。
しかし、これが息子が独立してどこか遠くで一人暮らしをしていたとしよう。
どこにいっても日用品も野菜も品薄で手に入らないから生協に入ろうとしたとしよう。
そのときもう手一杯なんで今は入会はお断りですと言われたと聞いたとしたら私はきっとここでも憤慨するのだ。
「なんでよ、すべての人に平等でしょ。商品が足りなくなるとか、配達人員が追いつかないとかいってもなんとかなるんじゃないの」
おんなじ現象に対しても、自分に大切な人がどこに居るかで、私の考えなんてコロコロ入れ替わる。
だから私は自分に責任がもてないなあ。
「もう加入受け入れいいかげん、やめるべきよ」
とも
「無理することないよ」
とも言えない。
そうかといって「がんばって」と励ますことも無責任な傍観者のようで口にできない。
せめてお茶や甘い物でエネルギー補給でもと考えても、かえって困惑させてしまうかもとためらう。
毎週金曜日、モヤモヤハラハラしながら、目の前で痩せこけながら荷物を持ってきてくれる彼に
「本当にありがとうね。助かっています。本当に・・ありがとうございます」
と門の外に消えていくまでペコペコ頭を下げるだけなのだ。