母に頼まれたエクセルの書類が全て揃ったので持っていく。
生協の牛乳と一緒に。
「あらぁ、もうできたのあ?うん、うん、これでいい。充分じゃない?いいわ、いいわ、これで、お疲れ様」
そして私の顔を見るなり
「あなたまた痩せたんじゃないの?顔、げっそりしてるわよ。ちょっと頭使うとすぐこれなんだから、大丈夫?」
と暴言を吐きながらパソコンの画面を差し出した。
「名簿なんだけど。急がないって、このご時世だから。4月頭でいいわ」
ずらりと体操教室のメンバーの名前が列挙されている。
「このメールをあなたのパソコンに送ってもらって、そっちでやってくれて構わないんだけど。できたらこっちに飛ばしてくれれば」
転送の仕方も知らない癖に一丁前に「飛ばす」などと使うのでおかしくなった。きっと他の役員とのやり取りの中で覚えたのだろう。
「ふふふ。飛ばしてくれればだとぉ?飛ばしてもらってどうすんのよぉ」
ニヤリとそこを突っ込んだ。
「飛ばしてもらって・・・飛ばしてもらうのよっ・・何よっ」
「わかったわかった。とにかく私のパソコンにこれを転送して、出来上がったらまたこのパソコンに、飛ばす、からお母さんは誤字脱字がないか確認してよ。それで不備があったら、言ってくれれば、またそこ直して飛ばす、から」
「そぉうよ、飛ばせば、いいのよ」
自分でもおかしくなったのか、口を尖らせ、開き直った態度でふんぞり返って笑う。
かわいい。