拙者、やや不調続きじゃが

どうも最近、調子がよろしくない。

常に頭がぼんやり、身体が重い。春が近いからだろうか。

人は・・あ、違う、私は。

私はいよいよ体調が崩れると笑顔を作らなくなる。

もっと悪くなると会話すらしなくなる。笑顔が消え、ただひたすら殻に籠り不調がすぎるのを待つ。が、ここまでのは最近はほとんどない。

今はその前段階だ。

どういう状態かというと、息子や夫の話している会話や言葉を拾って膨らますことをしなくなる。

たとえ夫が突っ込みどころ満載のオナラをぶっとしようとも放置。いつものように「何か仰いました?失礼、とか言えー!」と彼を追求することもせず、黙っている。

突っ込まれ「ワハハ、ごめんごめん、失礼」となるところを、スルーされた夫は「あ、ごめんね・・」などと真面目に呟き、なんともいえない妙な空気が立ち込める。

会話をキャッチボールとよく例えるが、我が家ではどちらかというとバレーボールの方が近い。

誰かがポーンと上げたトスを誰かがポンっと拾って返す、そこにいたもう一人がまたポンっと混ぜ返し、ボールを回す。

最後に誰ががパンっと笑いに変える。その転がったボールを拾ってまた誰かが小さなトスをあげる。

今の私は一応コートの中には立っているが、極力ボールには手を出そうとしない面白みに欠ける選手だ。

自分に向けて打たれたものこそ、薄ら笑いを浮かべやや低めのテンションで受け取り打ち返すが、今一つパンチにかける。

とりあえず、受け流しました、というような積極性に欠けたプレーなのだ。

夫はこのようなときも、それも私の一面と、それこそ受け流し、さほど気にしないが、息子は敏感に反応する。

「よう、体調の方はどうなのだ?休んどるか?」

その場では何も言わず、朝の起き抜けなど、まるっきり油断しているときに聞いてくる。まるで心広きキャプテンのようだ。

チームプレーヤーとして、こんなセリフを仲間に言わせてはならん。

一人はチームのために、チームは一人のために。

ならば一人はチームのみんなに余計な気遣いをさせないよう気をつけなければ。

それに母親なんだし。

息子が私を大丈夫かと気遣うたびに「かたじけない・・」とひっそり詫びる。

うちの母ちゃんは放っておいても平気平気、あいつは頑丈にできているから。食っちゃ寝してればいつも機嫌がいいんだから、ワッハッハ。

そう言ってくれ。それで大丈夫だ。

かたじけない・・。