庭の花が咲き始めた。
いつも感じる事だが、私があたふたしてようと、ケロケロしていようと、ただ、淡々と時期がくれば花を開く。
この子達の直向きさに「自分もそうであろう」と思う。
などとしんみり詩人めいた発言をしておきながらなのではあるが。
でた。
いいのがでたのである。
尾籠な話で恐縮です。息子の便の話です。
盲腸騒動で抗生物質を飲み続け、無事昨日飲み切った。
レントゲンを見たとき、腸が患部を圧迫し、炎症に影響を与えていた。 普段は滞りない方なのだが、写真には白いモヤモヤとした排出し切れていないものが腸に残っていた。
痛みで動きが悪くなっていたのか、食生活か、昼過ぎに起きてくる不規則な生活のせいか。
多分どれもだろう。
とにかくここをすっきりさせねば。
また溜まってくると、圧迫して激痛を引き起こしかねない。
先生は「あまり便秘にならないよう注意してね」程度で、これが原因ですとはおっしゃらなかったが、そんな気が強くしたのだった。
しかし。
そうかといってゴボウやらレンコン、サツマイモのような繊維の多いもの灰汁の強いものは食べさせられない。
しばらく消化の良いものをと言われたのでカレーやハンバーグにお腹に優しめの野菜をガンガン入れる、豚肉で巻くという手段も使えない。
まずは毎朝のプルーン3個にヨーグルト、バナナにオリゴ糖。
硬くなって居るはずのモノたちをこれで柔らかく柔らかく。
あとはとにかくの野菜スープ。
白菜だろうが大根だろうが、人参、じゃがいも、トマト、きのこ、とにかくなんでも入れてひたすらコトコトコトコト。
コンソメと塩とで味をつけただけのを鍋いっぱいにこしらえ、食事のたびに出す。
飽きると牛乳やコーンスープの素やベーコンを入れてとにかく、飲ます。
かと言って肉類を食べさせないのも不安が募る。
本当は盲腸になって入院した人にはしばらく絶食させることもあるという。
そうやって腸を休ませるそうだ。
しかし。
それは手術してもらう人の場合だ。
しばらくベッドで安静にして居るのならそれも良いのだろうが、バイトや就活にエネルギーを要するのだ、葉っぱと卵と白身の魚だけじゃあ青年男子、足りんぞよ。
この一週間、ひたすら鶏肉料理を作り続けた。
とりそぼろ。鶏と豆腐のハンバーグ。鶏と豆腐の焼売。鶏肉の・・・。
途中途中に腹痛の予兆がくると、ぶり返しかっとメニューを変えつつ、おっかなびっくり続けた。そして、その努力の甲斐が昨日の夜
「久しぶりにいいのが」
との報告によりもたらされたというわけなのだ。
自分でもびっくりするくらいに気持ちが明るくなる。
ああ、今の私は息子のウンチでこんなにも上機嫌になるのか。
服でもない映画でもない。朗報一発で。
家族のことで喜びホクホクする。
なによりだ。
そっと咲く沈丁花のそばで今日も私はあたふたあたふた。