21の息子にものを頼むには

「ねえ、出かける前に二階に上がって荷物準備する?」

のんびり遅い朝食をすませ、まったりパソコンを立ち上げている息子に言う。

「するよ」

「そのとき、私の部屋の窓閉めるのって難しいかなあ。できるかしら。」

「できるよっ」

「そう。じゃあお願いね。難しくて出来なかったら無理しなくていいから。できたらでいいからね」

「できるよっ」

ふふ。

あ、そうだ。そうだ。

「じゃあ、少し複雑になるけどだいじょうぶかなぁ?」

「なにっ」

「この洗濯物、ハンガーにかけておくから、持って上がってベランダに干してから、窓をしめる。できるかなぁ。ちょっと難しいかな。どうかなぁ」

「うるさいなあ、できるできるできる、わかったわかったわかった」

「できなくてもはずかしくないからね。わかんなくなったらできないでいいからね」

「できますっ!」

おねがいしまーす♪

 

いってきます。

いってらっしゃい。

・・!ハッとして振り向いた。

洗濯物がぶらさがったままそこにあるではないか。

「ちょっと、やだ。干して閉めてっていったのに。」

「あ、忘れた。ごめん」

「食べたお皿も洗ってない!」

「あ、ごめん、時間なくなっちゃった、ゴメ」

う〜。

今日は負け。