「ねえ、出かける前に二階に上がって荷物準備する?」
のんびり遅い朝食をすませ、まったりパソコンを立ち上げている息子に言う。
「するよ」
「そのとき、私の部屋の窓閉めるのって難しいかなあ。できるかしら。」
「できるよっ」
「そう。じゃあお願いね。難しくて出来なかったら無理しなくていいから。できたらでいいからね」
「できるよっ」
ふふ。
あ、そうだ。そうだ。
「じゃあ、少し複雑になるけどだいじょうぶかなぁ?」
「なにっ」
「この洗濯物、ハンガーにかけておくから、持って上がってベランダに干してから、窓をしめる。できるかなぁ。ちょっと難しいかな。どうかなぁ」
「うるさいなあ、できるできるできる、わかったわかったわかった」
「できなくてもはずかしくないからね。わかんなくなったらできないでいいからね」
「できますっ!」
おねがいしまーす♪
いってきます。
いってらっしゃい。
・・!ハッとして振り向いた。
洗濯物がぶらさがったままそこにあるではないか。
「ちょっと、やだ。干して閉めてっていったのに。」
「あ、忘れた。ごめん」
「食べたお皿も洗ってない!」
「あ、ごめん、時間なくなっちゃった、ゴメ」
う〜。
今日は負け。