寝よう

てんやわんやのクリスマスイブが過ぎホッとしている。

風呂場の水垢のついたガラスを磨き、洗濯機のカビ取りをしただけで何もやる気にならない。

今日は休もう。

冷蔵庫には煮豚や肉じゃがが、まだある。今夜はそれらをつないで食べよう。

気合の入らないまま買い物に行き、洗剤やら牛乳やら重いものをぶら下げ、玄関のドアを開けた途端息子がやってきた。

「今、美容院から電話があって、今日1時半にご予約いただいていたんですがお見えにならないのでって。母さん、予約してたの?」

え?美容院?

1月だったと思うけど。

・・・12月だったっけ・・・・。

財布の中のカードをみると、ああっっ。

入っている。今日の1時半。

コートを着たまま、大急ぎで美容院に電話し、担当の人に謝った。

「本当に一年の最後の最後に失礼しました、ごめんなさい」

笑ってくれたけれど、あまりのことに落ち込む。

暮れの美容師さんといえば、かき入れ時じゃないか。私のせいで大事な枠を無駄にしてしまった。

すっかり忘れていたのだ。

電話がかかってきても「なんのこと?」と思うほどに丸々抜け落ちていた。

休もう。

今日はもう、何もしたくない。

早く寝よっと。