午前中、台所を整理した。
ちゃんとしたキッチンカウンターを買っていない。
考えてみればこの家に住み始めて20年、その場しのぎの間にあわせで、本来は脱衣かごを乗せるための風呂用のワゴンの上に、ホットプレートを乗せたものと、プラスチックの引き出しを重ねて駆使してきた台所も、そろそろ限界だ。
本人はどこに何があるという決まりのもと収納していても、リビングから筒抜けの景色はごちゃつき見苦しい。
じわじわとミキサーや電磁調理器など道具が増えたことも要因だ。
便利にな道具を取り入れると、ジワジワと定位置が変動し、ごちゃつく。
その度に何度かカウンターを買おうと探すのだが、あれを見ればそれがよく、こっちを見ればこれもいいと、決められない。
何を求めているのか、何を買えばいいのか。届いたそばからまた別の商品を見たらまたそっちがいいように思うような、そんなあやふやさで決断できないまま、ここまできてしまった。
今日は夫が飲み会なので夕飯は作り置きでいい。
すぐカウンターを買えないなら、現状の中でとことんもう一度、見直そう。
本腰を入れ、3時間ほどかけ、ああでもないこうでもないと久しぶりの大仕事だったが、どうにかだいぶ、スッキリさせることができた。
便利なシャトルシェフやハンディフードプロセッサーも、視界に入り、手が伸ばせるところに出した。
見た目だけを気にしていた時は、いちいち使うたびに高い棚から出していたが、やはりそれでは頻度が少ない。
いつでも使える状態でそこにあれば、自ずと毎日のように使うだろう。
相変わらずの脱衣場用のワゴンを使った収納ではあるが、動線は広く、見た目も使い勝手も以前よりずっといい。
動きよく、使いやすい。
それが一番だ。
やっとそこに定まった。
ずっと[お洒落なキッチンに見えるか]が重要だったが、今は違う。
快適さ。それが一番。
いつしかそれは全てに。
服装も、交友も、1日のリズムも、何を食べるかも。
ようやく軸ができたようだ。
そろそろキッチンカウンターを選んでもいいかもしれない。