どうも生協で注文するとき、クリックを二回してしまったようだ。
ネット注文しているのだが、ひき肉も豚コマも、豚バラも、ジャガイモも全てが、予定していたより多い。
自分では一つづつ頼んだつもりが、どれも複数あるのだ。
またやったか。
時々やるのだ。商品を選んで、買い物カゴにいれる。もう一度確認のため、一つ一つ、見直し点検をし、よし、よし、とクリックしてしまう。そのとき、個数の欄の数字は1から2に変わっているのに気づかず、よしっと、注文確定してしまう。
「注文明細表がちゃんと出るだろ、あれ、見ないの?」
息子が信じられないと呆れるが、見ないのだ。
めんどくさい。間違いないよう確認したんだから大丈夫だと、根拠のない確信のもと、送信してしまう。
「自分がおっちょこなんだと、自覚しないとな」
こんなだから息子も夫も最近、やたらと振り込め詐欺の注意と火の元確認、戸締りを呼びかける。
「もし、俺が金を貸してくれとか、振り込めとか言ってくる電話があっても、ありえないから。相手するなよ」
「なんか合言葉決めておこうか」
「いや、そもそも母さんに金借りるなんてしないから。第一、口座番号言って振り込めと言ったところで、そこに間違わないずに送金できるかが怪しい。」
方向音痴で粗忽物の母にそんな難しいことはできないから、そんなこと頼むものかということらしい。
「切羽詰まっていればいるほど、迷わず違う人に頼む」
「そんなあ。頼んでこらんよお。困ったときこそお母さんって思うもんだろう」
「いや、いい。遠慮する。母さんは遠くで俺の幸せを祈っていてくれ」
いつも祈っているよ。
それだけは、誰にも負けない。
倍届いてしまった肉に追い込まれ、やむなく2時間かけ作り置きを拵えた。