不遜不遜

午前中にラジオ体操を休む記事を書いた。

いつもお茶を持ってくるおじいさんが一人だったらかわいそうだなあと思いつつ、どうにも体調がよくなく、この強風の中出るのは無理だと断念した。おじいさんはどうしたろうか。行ってあげたかったなあ。

などと思ったよ、と、書いたのだ。

あのあと、えらいこっちゃで私はダウンした。

まっすぐ歩けない。頭がクラクラする。意識がぼんやりする。

どこが痛いわけでもない。けれど明らかに思考がぼんやりして反応が鈍くなっているのが自分でもわかる。

食器棚につかまりながら歩き、なんとか食事をすませ、ひたすら横になった。

雨が上がる。風はまだ強く吹いている。やがて外は明るくなり気温も上がり始めた。

ゆっくり起き上がる。

歩ける歩ける。

めまいもおさまった。

もうしばらくじっとしているうちに揺れている感じも消え、頭も回りだす。

外に出てみた。

雨上がりの遊歩道。向こうから制服を着た女子中学生が歩いてくる。

ベビーカーを押して歩いてる女性。

背中にギターを背負っていく若い男の人。

その中に自分もいる。それが嬉しい。

あのまま具合悪くならなくて嬉しいのだ。こうしてみんなに混じって歩いてることが嬉しいのだ。

おじいさんも今頃外に出てるだろうかなどと考えておかしくなった。

なんという傲慢。かわいそうだなんて。

思えば自転車に乗ってやってくるんだ、私なんかより遥かに健脚健康。

私は自転車に乗れるだけの筋力がない。骨盤骨折してから乗らなくなった。

ペダルは漕げるだろうが両足ついて踏ん張れないだろう。ハンドル捌きも怪しい。

そんなへなちょこが。かわいそうだから雨でも行ってあげたいなんて、不遜もいいとこ。

やっぱり足が重い。もう帰ろう。

明日の朝は行けるといいなと引き返す。

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いよいよ春。