失敗作

なんとなくかったるくて1日ダラダラ過ごす。

言葉通り、表現通り、ひたすら寝っ転がり、トイレに立ち上がり、そのついでに洗濯機にとっくに洗い上がっていた洗濯物を干す。

今日は夫が飲み会だと聞いて、心が緩んだ。

にやり。今晩はつくらなーい。

ハンバーグがある。正月にしんどくなったときに使おうと散歩の途中で入ったコンビニで買った金のハンバーグが冷蔵庫に眠っている。

あれだ。今晩の息子はあれでよい。

昨日のトマトシチューが中途半端にのこっているからそこに入れてチーズを乗せればいい。

夫から聞いた瞬間にそう頭に浮かんだ。

ごーろごろごーろごろ。

1日ぐうたらしていると、やっぱりなにか作ろうかと、やや、良心がうずいた。

じゃがいもにんじん玉ねぎ少しの鶏肉、冷凍ほうれん草を炒めてコンソメで煮る。そこに牛乳を入れただけのスープを作る。

ただそれだけなのに味が決まらない。

ぼやけている。

塩か。しょっぱい。牛乳を足す。味がまたぼやける。コンソメか。味が尖る。

もうよそう。ぼやけたままでいい。

あ、そうだ。

生協の化学調味料のはいっていないコーンポタージュの粉を入れた。

濃い。濃すぎる。

水だ。

薄い。またぼやけた。

鍋の中はどんどん量がふえていく。

これはよくないループにはまっている。もう、ここでやめておこう。

これ以上いじっても事態が悪化するだけの気がする。

しんどいとき、体調がいまいちのとき、いいかげんな構えで作るとろくなことがない。

おとなしくレトルトのスープにすればよかった。

おいしくないスープが大量にできてしまった。

どよーん。

ごめん、と自己申告するか、しらばっくれるか。

金のハンバーグがすべてを丸く収めてくれることに期待しよう。