数秒間

昨日、午前中のうちにトマト水煮缶とジャガイモ、玉ねぎ、ピーマン、ナス、ウィンナーでシチューまがいのものを作った。とりあえずこれがあれば安心。

なんとなくかったるく、なんとなくやる気がでない。

いいやいいや。スーパーの惣菜コーナーでササミのチーズ巻きフライを買う。夫が帰宅して食べるかどうか怪しいので3本にした。

ご飯を炊くのも億劫だ。ロールパンもカゴに入れた。

たっぷりダラダラして夕方になった。でもまあ、疲れて帰ってきてこれだけって物足りないかも。時々昼を抜いてくることもあるしな。

冷凍の白身魚のフライを揚げる。ついでに蒸しておいたジャガイモを細長く切って揚げた。

なんちゃってシチューで野菜。で、こっちがタンパク質。で、パン。よし。いいでしょ。

夫は意外と早く帰ってきた。よかった。用意しておいて。

「うわあ、おいしそう、すきなものばっかり」

9時になり、食べている途中の夫におやすみなさいと先に寝た。

今朝。当然皿は空だろうと、流しを覗く。皿がない。洗ってくれたのかとカゴをみても、ない。

冷蔵庫を開ける。

ラップをして息子と夫二人分、シチューとサラダがきれいに収まっていた。

冷凍のフライの方は平らげたようだ。

むむむ。

 

おつかれなのね。ふたりとも。

声に出してみた。そうしたら本当にそんな気になった。

だいたい、疲れて帰ってくるんだからと付け足した方を食べたのだから理屈的にはそれでよかったのじゃないか。本能的に欲したのは水煮缶のシチューもどきよりロールパンとフライだったのだ。

明日、おやすみだから朝、昼、これでいいわ。

神様が明日、私がのんびりできるように仕組んでくれたのかもしれない。

そうだとしたら腹を立てたら申し訳ない。神様のお心遣いなのだ、これは。

その間、数秒。頭の中でこれらの思考が巡り、気持ちは落ち着く。

ちょっと進歩のわがまま女。