あれから二回、キツくなったパンツを朝、着替える前に履いてみた。
むむ。やはり。これは下剤をやめた云々ではなく、単に太ったからかもしれん。
痩せた身体が嫌なのに変化していくのを怖がる。今なら引き返せるとしがみついているのだ。
なので新しいバージョンの自分に自分を慣らすため、履いた。
いつも身構えていた。出くわす衝撃も回避したり逃げたり、無難無難できた。
だけど、その私はいつも被害者なのだ。
かわいそうな私と被害者ぶって相手を責めていた。
戦うのだ。
引き受けるのだ。
すべてを。
劣等感は抜けないがこれは諦めた。気にならなくなる日が来ることに期待しよう。
ただ、生きてるようで生き流しでいたあの日々はもう捨てよう。
もうブカブカのパンツも、食べ物が喉を通らない苦しみもいらない。
自我を出し始めた自分は、怖い人になっていってはいないか、優しくない人になっていかないか。冷たい人になっていないだろうか。
私は勝手でわがままだ。
キツくなったパンツは、本来の私がムクムクでてきて詰まってるんだ。
それを拒絶しちゃダメだ。
怖がるな。
新しい私は本来の私だ。
たぶん。
怖い。でも、このまま行く。