七十点主義

二年連続、暮れになると体調を崩したり骨折したりで大掃除をまったくやっていなかった。

昨年はまさか転んで骨を折るなんて思いもしなかったので「今年こそ」とあれこれ掃除グッズを買い込んでいた。

ギブスが取れて春になったらやろう。

ぐずぐずなにもしないまま、時期梅雨になる。

やらなくちゃなあ。

洗面所のビニールの床、お風呂の水垢。トイレの床。

毎日掃除はしていても、ちょっと拭いただけでは落ちない汚れをずっと見ぬふりをしてきたが、よし、やるか。

湿度の少ない晴れた日。気分良くできそうな気がしてはじめた。

ビニールの汚れをとるクレンザー。水垢とり。アクリルのタオル。カビ取り洗剤。

買ったまま手付かずのそれらを引っ張り出してゴシゴシやりはじめた。

おもったより簡単に落ちない。

力を入れて、何度も何度も擦る。

もうこんなもんだろ。

疲れてしまってもうおしまい。時間にすると30分。

私のパワーは30分で切れる。

ざっと汚れを拭き取って立ち上がる。それでもまあ七十点。やらないよりは綺麗になった。

七十点でいいことにする。

なんでも七十点でいい。

庭の芝刈りだって七十点。

献立だって七十点。