よかった

夜中、夫が「よく頑張ったよく頑張った」と言うので「うん」と答えた。

仕事が忙しいのかなあ、でも今の私の「うん」は、うん、私も、っていう意味なんだよ。私もよく頑張ってここまできたって思ってるとこなんだよ。なんて心の中で思っているところで目が覚めた。

寝言だったのだ。そして私は寝ながら声を出していたのだ。自分の声で目が覚めたのだった。

子供の時、似たようなことがあった。

「ヤァだっ!」

それは大きな声だった。誰かが来たらどうしようと思うほど、誰かと喧嘩しているようなハッキリとしたものだった。

ドアの外には灯りがついていて、台所のテーブルでは、まだ姉と母が受験勉強をしていたから時刻は9時か10時くらいだったのだと思う。そっと覗きにいくと二人に私の雄叫びは聞こえていないようでホッとしてベッドに戻った。

そのとき、夢の中でまで自分が癇癪を起こして怒っていることが残念だったのを覚えている。

寝ながら夫が「よく頑張った」と満足そうにしみじみと言っている横で、「うん、私も」とこっちも寝ながら言っていたのかとおかしくなった。

でも、今見たの夢の中の私は怒っていなかった。ふむふむと頷きながら穏やかだった。

 

お助けマン不在

整理整頓ついでに台所もやる。

使っている一軍だけを手のとどくところに置いて、あとはしまう。ホットプレートも電磁調理器も見えないと使わないので出しておく。

補助に置いているテーブルを思い切って小さな折りたたみのものと取り替えた。台所にあった方をパソコン机の隣に並べ、パソコン隣にあったミニテーブルを台所に持っていく。ミニテーブルの下にゴミ箱を入れると狭い台所も少しはスッキリした。

こういうささやかな変化が嬉しい。新学期の準備をしているようだ。

家具を移動させたりしたものだから疲れてしまった。

動き良くなってやる気を誘う配置になったのに、何も作りたくない。

そうだと、じゃがいもニンジン玉ねぎを炒めたところにポトフの残りを足す。

ほろほろになるまで煮込んだ鶏肉と丸ごと玉ねぎ。大根が鍋の中で崩れていく。

冷蔵庫で萎びそうになっている舞茸と中途半端に残っていた蓮根も入れた。

カレーは全てを引き受けてくれるのよ。

転勤の多かった家に育ったラジオのリスナーさんの投書に、引っ越しの前日は必ず、おばあさまが冷蔵庫の中のものを一掃するためになんでも突っ込んで作ってくれたとあったのを思い出したのだ。

甘く煮たカボチャでもさつま揚げでもなんでも入っていた。不思議と美味しかった。と言っていた。

真似してポンポン残り野菜を放り込む。だんだん弾みがついて小松菜と厚揚げの煮物のタッパーに手が伸びた。

蓋を開ける。・・・いける気がする・・・。

やめた。致命的なことになるような気もする。いける気もするけど・・やめとこ。

野菜ジュースも入れた。

さて。いよいよお助けマンを。

床下からルーを出そうとしゃがみ込んだが、見つからない。

買い置きがあったつもりだったのに。そうだ。この前ドライカレーをたくさん作って冷凍したんだった。

どうしよう。

グラタンの残りがあるからあれを入れてクリームシチューにしようか。

さっきの小松菜同様、いける気もする。しかし危険すぎる。

疲れて何もしたくないからのカレーだったのに。

散々迷って渋々財布を持って家を出た。

お助けマンには常に家にいてもらわないとなりませぬ。

整理整頓

 

昨日は夫と一日家で過ごした。

私が上、夫は一階。それぞれ勝手気ままに過ごす。

夕飯は作り置きがあったので考えないくていい。本当に何も考えず計画も立てず無責任に思いつくままテレビをつけたりぼんやり空を眺めたり、本を開いたりうたた寝したり。

ふと思いつきで寝室を整理し始める。

とりあえず取ってあったもの、とりあえずしまったものを引っ張り出した。

存在していたことも忘れていたあれこれを思い切って捨てる。

本当に自分の好きなもの、大事なものだけを残した。

それからテレビの位置とベッドの位置を動かした。

あっちこっち動かしてはまた動かすのを繰り返してきたのは自分がこの部屋でどう過ごすのかが決まっていなかったからだ。

窓際に机を持ってきてぼんやりしたりするのもいいなあと思ったり。

ここは寝るだけの部屋にしようと思ったり。

ここは読書部屋にしよう。パソコンがあるとついそっちにいくから本だけ置いて。

気分気分でふわふわ変わる。

今の気分は、ここは何もしない部屋。何もする気になれない時の場所にしようと思う。

母のこと姉のこと、それに対して自分の気持ち、今の心境、何が怖くて何を恐れているのか。

でもやっぱりそこに愛はあるということ。

心の中が整理ついた今、すごく安定している。

苦手なものは苦手だけれど、表面化してみたらそんなに構えるほどのものでもないようにも思う。

もう大丈夫かもしれない。

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なにかが終わった。新しく始まる。