一日空いてしまった。
本当はあれだけ大騒ぎしたんだから、診断の結果をここに報告しなくちゃと思っていたのに、昨日は1日中眠くて頭に霞がかかったように重く、テレビすらも鬱陶しく、ぼんやりiPhoneのゲームばかりしていた。
雨が降る前の低気圧ってわけでもないのになんでだろう。
ここんとこ、外出ほとんどしないで家の中に籠もってたところに久しぶりに病院に行って、帰りにスーパーに寄ったりしたから疲れたのかしら。
そんなに激しく歩き回ったわけでもないのになあ。
午後になったら一緒に行こうと言っていた買い物も、かったるく、夫に頼んだ。
頑張れば行ける気がすると、何度か気合を入れようとしてみたが、どうにもこうにもエンジンがかからない。
あ、そうだ。気合入れて頑張るのやめたんだっけ。
「あのさ。メモ書くから買い物頼んでいい?」
「あ、いいよ」
出歩かないと、なんだか1日サボったような気分になる。
この感じ方も軌道修正しよう。
先生に、どうしてこんなことになったのか調べてもらいたいと伝えたところ、ニッコリ笑ってこうおっしゃった。
「こういう突発的なことが起きた時、大事なのは、原因が何かを特定することではなくて、何では無いと、探ることなんです。トンさんの場合、まず心臓かと思ったのですが、心電図は異常なかったです。考えられる大きな病気は、調べられる検査すべてやってみた結果、関係ないと言えます」
そうなんだ。でも、何でこうなったんだろう。
「でも・・」と食い下がりたいところに、先生がカルテをじっくり見直してこう付け加えた。
「とはいえ、心臓にかかる負荷の数字が暮れは相当高かったですねぇ。100超えたら高いとするところ170ありましたから、しんどかったでしょう。今日の結果では90まで下がってますからだいぶよくなってますね」
じゃあもう普通の健常な人と同じくらいの状態なんですかと聞くと、いや、これもまだ弱い方ですねと言う。
元々心臓が弱いようですね。
し、知らなかった。
心臓まで・・。いや、心臓が弱いが故に、腎臓、肝臓や脳波が乱れやすいのかもしれない。
「要するに身体全体が弱くできてるのよ。他の人が10できるところ、5ぐらいしかできないってことでしょ」
帰宅して母に報告するとそう言われた。
自分が心臓が弱いだなんて、なんだか他人事のようでピンとこない。
無理するとすぐダウンしていたのはそういうわけかと合点は行くものの、少女漫画に出てくる心臓の悪い女の子を想像すると、自分のキャラとかけ離れすぎていて受け入れ難い。
「旦那さんも可哀想に。奥さんがあれこれ問題抱えてて」
母が半笑いで私を眺めながら呟いた。
「もう、そういうこと言わないでよ」
傷つくんだから。自分が欠陥商品って言われてるみたいで。
・・とまでは言えなかったが、そう言った。
たぶん母は、夫に申し訳ないと思ってそう言ったのだ。
私のことを否定するつもりはなかったんだと思う。
解っちゃいるが、泣きたくなるんだ。
私にそう言われて母はちょっとびっくりした顔になり、それ以上は続けなかった。
浮腫はまだお腹の周りに残っている。
なんだかいっぺんにいろんなことが起き、混乱している。
それでも日は暮れて朝はきて、毎日は変わらず続いていく。
「どうしてこうなったかと考えるより、何ではないと、調べることが大事なんですよ。」
そうだそうだ。
なんでこんなことに・・じゃない。
生きてる、食べられる、歩ける、家族との生活を続けている。
家は暖かく、寝床も風呂も食糧も不足はない。
夫は健康に働き収入もある。
息子も丈夫でよく笑う。
その上、ブログの世界には会ったこともない私を気にかけ、励まし、優しい言葉をかけてくれる人達までいた。
充分だ。
私は、かなり恵まれている。