味わって過ごす

だんだん妙なスイッチが入りそうになる。

テレビもラジオもスーパーも年の瀬らしく情報を発しているのに反応して、自分もなにかちょっと参加したい気分がむくむく湧いてくる。

昨日、松飾を飾った。

「これをそっちで引っ張って。それでこっちにちょうだい」

相変わらずの不器用で、門の内側の結び目も紐の始末も綺麗じゃない。これを見つかったらきっとボロクソに言われるだろう。

「ま、いっか。私のやることだから。こんなもんでしょ」

「なんか、これ、そりかえってるぞ」

どれ、あ、ほんとだ。これでどう?そっちから見て。いい?左右の高さ同じになってる?

だいじょうぶ、

どれどれ。あ、いいね。できたできた。いっちょあがり。

寝巻きにダウンを着込んでスニーカーで外に出た息子とわずか数分。

その数分をありがたいと深く思った。

これで充分だ。

黒豆と栗きんとんを作った。お餅を買った。今日は伊達巻きを作ろう。

窓ガラスは持ち越し。

満ち足りている。湧き上がるのは感謝だ。