ひっさびさに頭から押さえつけられ、とよーんとしている。
ドヨーンとまで打ちのめされてもいないが、やや、もやもや残っているので「とよーん」。
この響き、我ながら気に入っている。
とよーん。なんだか気楽な落ち込み方でいい。
来月末に父の法事がある。それに出席する息子の服装について、若干の行き違いがあった。
ジムから一旦帰ってから背広に着替えるという彼に
「いやいや、家族5人だけのだから、ソフトスーツくらいでいいよ。」
と私が言った。ジムはスポーツウェアをレンタルするシステムなので、最初からスーツで行って、そのままお寺で合流すればいいのではと提案した。
法事の食事をどこにするかと相談にきた母にその話をすると「そうね」と帰っていったのだがまたすぐ戻ってきた。
「お姉さんが、ジムにいくような格好をさせちゃダメだって。お寺さんに対してちゃんと敬意を表した格好をさせないといけないって。」
「いや、だから最初からスーツ着てジムにいくのよ。あの人、いつもジムでも会社行くみたいな格好でいくのよ。向こうでウェアは貸してくれるから。いつもそのまま渋谷とか銀座に回って帰ってくるくらいだから。そんな砕けだ服装じゃないわよ。」
運動をしに行くからTシャツにデニムのパンツのようなのにジャケットだけ羽織るようなのをイメージしたのかもしれないと、詳しく説明し直した。
「ダメ。お姉さんが、この前ジムに行く途中の孫ちゃんを見かけたけど、あれじゃダメだって言ってるもん。」
「いや、だから、その日は朝からスーツを着ていくんだって。私が言ったのは就職活動の背広じゃなくてもいいって意味で。お母さんももう23回忌だから喪服じゃなくて地味なワンピースにするって言ってたから。ちゃんとスーツだから大丈夫よ。そんな非常識な格好しないよ、彼は」
「あなたはなんでもかんでも、いいよいいよって許すけど、こういう行事はちゃんとしないとダメよ。お寺さんに対しての礼儀を教えないといけないって、それも教育だってお姉さんが言ってるわよ」
めんどくさくなって
「わかった。ちゃんとそう伝えるね。」
と答えた。
そうよ、あなたはなんでもかんでも、どうでもいいって言うけど、そういういい加減なの、ダメよと、ちゃんと面倒でもしつけないと。
「わかった。その通り伝えるね。ありがとう」
もう一度言うと
「じゃ、そういうことなので。よろしく」
と帰っていった。
とよーん。
躾けるって・・。教育って・・。もう23だよ彼は・・。ちゃんとわかってるよ。
・・・私も。
まぁ、家族と暮らせばこういうことってあるあるだよな。
母とのコミュニケーションこそ、70点キープできてりゃ上等か。
と、納得しつつ、ここに書く。
すっきり。